私は、私立小学校で働いていた時期がありました。
20代の時に時短勤務をしていて、安月給ながら細々と体調に合わせて働けたのです。
その時には、その日にあった小学生の面白い言動を忘れないようにノートにメモしていました。
これがなかなか面白く、この仕事をしていなかったら出会えなかった出来事だなと振り返ります。
お姉さんから「可愛い」と言われた時の小学生男子
かなり昔のことなのに今でも思い出すのは、小2男子と一緒にいた時のことです。
高学年のお姉さんが、彼を見て通りすがりに「可愛い!」ときゅんきゅんしながら発言しました。
それを聞いた男の子は、「僕のどこが可愛かったのかな、顔かな、体かな、動きかな」と言っており、私は「そんなに気になるなら授業の後聞きにいったら?」と言いました。
授業後、もじもじしていたので「聞きに行く?」と促すとうんとうなずき、本当にそのお姉さんに自分のどこが可愛かったのか聞きに行っていました。
お姉さんの回答は「動き」だったそうです。
私と話をしていた時、その男の子はふと最近習った少林寺の型を一瞬だけやっていたのです。
今や立派に育って高校生ですが、そんな可愛い時期もあったことがノートに記されています。
母親の携帯に出た小2女子の反応
ある日、小2の女の子が学校に来ていない時があり、上司がその子の母親の携帯に電話したことがありました。
すると、「ん?聞こえますか?」など、上司が戸惑っている様子が伝わってきたのです。
「なんか雑音?変な風のような音しかしない」とのこと。
そして後日談でその原因がわかりました。
母親の携帯が鳴り、偶然出てしまったのが小2の女の子だったそうです。
電話がつながっているとは知らず、その電話口で「ふんふん」とひたすら鼻息を鳴らしていたとのこと。
それが雑音や風のような音に聞こえたのですね。
ちょっと面白くなってその場が笑いに包まれたことを覚えています。
ボケとツッコミな関係性
私の記憶に強く残っている子のひとりに、とある小6ちゃんがいます。
彼女はコミュニケーション能力が高く、人見知りをするので私以外の先生とは話さないものの、一度慣れるとボケとツッコミで笑いのある現場となります。
説明すると何が面白いのかわからなくなってしまいますが、例えば「中二病になると右腕がうずいたりするんやろ?」と話を振られたので、「うう!雨のせいで左ひざに痛みが…!」とボケると、ちゃんと「それは中二病じゃなくて年寄りだから!」とツッコんでくれます。
他にも、他の先生が新婚旅行で海外のUSJか何かに行ったことを聞いた時のこと。
「恐竜に乗ったらちゃんとその恐竜が脈打ってたんだって!いいなあ!」とあまりにも言うので、「じゃあ四つん這いの兄ちゃんに乗って首根っこ掴んどれ」と言うとめちゃくちゃ笑っていました。
持ち込み禁止?
子供は時に予想外なことをします。
2人だと最強な小5くんの授業が終わった時、彼が「これ見て…」とカバンの外側についたポケットの中を見せてきました。
何かと思って覗いてみると、そこにはなんと小さな亀が3匹!「川で取ってきたん」とのこと。
ううん、確かに学校に亀を持ってきてはいけないなんて校則はなかったと思うけども…。
亀にはちょっと気の毒ですが予想外で笑ってしまいました。
子供が言うとおかしいセリフ
使うタイミングも意味も正しいのに、子供が使うだけで面白くなるセリフってありませんか?
私は何度かそれを体験しています。
昔、ある男の子が小5くらいの時、その子の人見知りについて話していました。
同級生とは仲が良いのですが、大人が苦手のようなので何歳くらいからアウトなのか聞いてみると「う~ん…高校生くらいかな」とのこと。
私とは喋れるので、「じゃあ私のこと同級生やとおもとんの?」と冗談で聞いてみると、「まあ、長い付き合いやからな」と。
確かに、彼とは小1のころからの知り合いだったので正しい発言なのですが、なんだか小5くんが言うとちょっとおかしいですよね。
しかし、私はこういう正しいことを言ったのに笑われた子供時代の経験を不快に感じたことを覚えているので、似たようなシチュエーションでは絶対に笑わないようにしています。
正直に言うと、他の先生にはなついていなくて私にだけなついている生徒は可愛いですね。
つらくてストレスでダメになりそうな時もあるけど…
教育現場、子供と接している時はこういった楽しい、面白いこともあるのですが、大人同士の世界になるとどうしても、どこまでおかしな人間なんだと言わざるを得ない人もいます。
かなりストレスがたまり怒りに体が震えることもあります。
子供たちとのこういった面白いやりとりがあるから耐えられるというレベルでもありませんし偽善な言葉も言えません。
ただ、少なくとも私が当時こういった楽しいことがあると記憶にとどめておこうとノートに記していたことは事実で変わらないんですよね。
今でもたびたび見返しています。