工場・製造・修理・検査の体験談

残業地獄の食品工場で果てしない長時間労働体験談

投稿日:2019年6月6日 更新日:

今から約5年前に私が体験したブラックバイト体験談を書きたいと思います。

 

【応募の経緯】

当時フリーターだった私は、新聞に折り込まれていた求人広告を見ながら良さそうなバイトを探していました。

その中で〈食品製造〉の案件を見つけました。

 

主な条件

時給 850円

時間 21時~6時

22時以降は時給25%アップ

週3日以上働ける方

その他、社会保険完備、駐車場完備など

 

これらの条件自体は大したことは無いですが、割の良い夜勤を希望していたこと、以前この工場へ短期バイトで働いたことがあるなどの理由で応募に至りました。

 

【面接~採用】

応募すると、すぐに面接していただける事となりました。

面接では志望動機などを聞かれることもなく、週何日働けるか、通勤方法は何かといった基本的な事の他、食品を扱うため衛生面での注意点を説明されました。

ノロウイルス検査用(おそらく)の検便キットを渡され、後日提出。

検査結果に問題なかったため採用が決まりました。

 

【勤務初日】

まず仕事で使う靴や頭巾などが支給されます。

その後入念に手を洗い、ゴム手袋を付けて作業場へ入ります。

まず割り当てられたのは、コンベアーに乗って流れてくるお弁当におかずをトッピングする作業。

一番簡単なものから始めて雰囲気や流れを把握するためだと思われます。

たしかに簡単な作業ですが、とにかく時の流れが遅い。

1時間経ったかなと思い時計を見たら、まだ30分しか経ってないことの繰り返しです。

 

開始から4時間ほど経過し、そろそろ休憩かと思いきや、一向に止まる気配はありません。

6時間経過、まだ弁当は流れてきます。

7時間経過、ここで一旦ストップし休憩に。

「残り1時間しかないのにここで休憩?」と不思議に思いましたが、休憩後も約4時間、合計12時間労働の初日となりました。

そういえば面接のときに「残業できますか?」と聞かれたのを思い出します。

私としては1時間程度の残業のつもりで「はい」と答えましたが、まさかいきなりこれとは。

そして一緒に作業をしていたパートのオバサマが言いました。

「今日は早く終わったね」

 

【勤務7日目】

約一週間経つと、私は具材を準備したり片付けたりする作業になりました。

ずっと同じ場所で同じことをするトッピングと違い、動き回れる分だけ気持ち的に楽でした。

その代わり何キロもある具材やスープを運んだりするので筋肉痛にはなりますが。

 

【勤務1ヶ月】

ついに来ました。「〇〇君、明日から早く来れる?」

半ばヤケクソで「全然大丈夫っす」と答え、この頃から週5日、夜7時から昼11時までの約15時間労働となりました。

 

【15時間立ちっぱなしでヒザが】

仕事内容は相変わらず重い具材を運んだり補充したりでしたが、徐々に慣れてきたのか筋肉痛は消え去りました。

工場内では休憩時間以外で座ることは許されないため、ヒザの痛みを感じるようになりました。

ですが、周りのオバサマ達が平然とこなしてるのを見ると何も言えません。

超人かよ…。

 

【あやうく居眠り運転】

1日の睡眠時間は4時間ほどでしたが、尋常ではない疲労を考えると全然足りません。

私は車で片道45分ほどかけて通勤していましたが、眠気との戦いになることもしばしば。

これは危険だと思い、居眠り運転防止&睡眠時間確保のため、帰りの運転中は食事を摂り歯も磨くということをしていました。

ちょうど家に着く頃に磨き終わるように磨き始め、あとは口を濯いで寝るだけ。

たった20分程度の睡眠確保ですが、当時は1分でも長く眠りたい状態でした。

 

【なぜ辞めようとしなかったか】

そんなキツイならさっさと辞めればいいと思われるでしょう。

ですが、私基準ですが良い面もあったから続けられたのだと思います。

いくつか挙げると

 

【給料が良い】

基本時給に深夜割増、時間外割増が加わるので毎月約40万円ほど貰っていました。

300時間以上働いていたので時給にしたら大したことないですが、明細の総支給額をみるとヤル気が出てしまう単純な性格なのです。

 

【社員がそこそこ優しい】

それまでの工場社員といえば、怒鳴り散らして時には足が出るというイメージを勝手に持っていました。

ですが、工場で私は色々ミスをやらかしましたが特に怒られたことはありませんでした。

聞いた話では、新人が入ってきてもすぐに辞めてしまうらしいのですが、パワハラなどではなく長時間労働が原因だったのでしょう。

会社側も「せっかく入ってきたのに辞めてもらっては困る」から意識的に優しかったのかも知れませんね。

 

【あまり気を遣わなくて良い】

工場では200人ほどのパート・派遣がいましたが、大半が外国人でした。

主に中国、タイなどアジア系が中心で日本語はあまり話せません。

私はコミュニケーションが得意ではないため彼らとはあまり話しませんでしたが、その距離感があったので、対人関係で気を遣わずに済みラクでした。

 

【その後】

約2年ほど勤務した後、家の事情で退職しました。

辞めた後もしばらくはヒザが痛く、時折長時間労働の悪夢でうなされる日もあります。

風の噂では、その後工場に労働基準監督署のチェックが入り、月45時間以上の残業はなくなったようです。

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