■日本語教師歴3年の私が考える日本語教師をしていて良かった事
大阪、東京の専門学校にて、主に、ビジネスクラスの日本語教師を3年ほどしていました。
ビジネス日本語をメインに、面接対応や履歴書の書き方などを指導していました。
そんな私が考える、日本語教師をしていて良かったことを以下に3つ挙げます。
1つ目は、国際感覚が身につくということです。
教師は、あくまでも”教える側”ではありますが、同時に”学ぶ側”でもあります。
日々、様々な国の外国人と過ごしていると、当然文化の違いなどを感じます。
井の中の蛙のように、日本の感覚だけで対応していると、生徒に伝わらなかったり、無意識で彼らに不快な思いをさせているなんてこともあるのです。
国が違えば、文化も習慣も、宗教も違います。
日本に学びに来ているのだから、日本に従えというのは、ちょっと違うと思うのです。
教師も、彼らの文化や習慣、宗教などを尊重し、生徒から”学ぶ”という姿勢を持ち、接することで、異文化も理解でき、本当の意味での異文化交流ができるのではないかと感じています。
という事で、一つ目は、教えながらも学ぶという意識を持つ事で、国際感覚が身に付く、ということでした。
2つ目は、日本を再発見できるということです。
日本語を学ぶ学生の多くが、日本が好きで、日本を尊敬していたり、日本人と仲良くなりたいと思っています。
外国人からの目線で、改めて日本を知る事ができ、今まで当たり前だと思っていたことや、気づかなかった日本の素晴らしさに気づくことも多いです。
また、モチベーションが下がってしまっている生徒からは、日本のどういう点に、嫌気がさしてしまったのか、何が思っていたことと違ったのか、などを知ることもできます。
よく、海外へ行くと価値観が変わるとか、視野が広がると言いますが、海外へ行かなくともそれを体験できてしまうのが、日本語教師の良いところの一つです。
ということで、2つ目は、日本を再発見できるということでした。
3つ目は、文章力が付くということです。
当然ながら、日本語教師は、学生の文法の違いを正したり、どんな場面でどんな言葉を選択するかなど、日々日本語について考えています。
また、生徒のミスから、どういうことを意図して、そのような表現になったのかなど、おもいを巡らすことも多くあります。
現在の日本人は、日本人であっても文法を正しく使えない、または理解できない人が40%もいるそうです。
それだけ難しい日本語ですが、日本語教師でいることは、必然的に、己の日本語力も磨かれることになるため、文章力もアップするのだと思います。
ということで、3つ目は、文章力が付くということでした。
■日本語教師のやりがいとは
以上に、日本語教師をしていて良かったことを3つ挙げました。
上記に挙げた3点すべてがやりがいに直接繋がると思います。
このように書くと、日本語教師はメリットばかりのように思われますが、当然、デメリットも存在します。
例えば、一生懸命授業準備をしても、生徒に全然伝わっていなかった時や、生徒への質問に上手く答えられなかった時などは、自分は日本語教師として、まだまだだと落ち込んでしまうこともあります。
ベテランの先生の授業を拝見し、自分の教え方に悩むこともあります。
モチベーションの下がってしまっている生徒への対応や、遅刻・不登校の生徒への対応など、難しい場面にも多々出くわします。
経済的に大変な生徒には、学校生活とバイトの両立など、資金面のやりくりを一緒に考えたりすることもあります。
就労制限時間を超過したり、よくない道へ足を踏み入れ、退学になる生徒もゼロではありません。
そういう時は、日本語教師の大変さや難しさ、不甲斐なさを感じることもあります。
しかし、何事にも陰と陽があるように、どんなに好きな仕事でも、良いことだけしかない仕事などあり得ないと思います。
大切なのは、そのバランスを保つことかなと思います。
なぜ、日本語教師になりたいと思ったのか、日本語教師をしていて良かったことや、やりがいを忘れずにいる事で、辛く感じたり、困難に陥った時でも踏ん張れるのではないかと思います。
また、教え子たちが卒業したり、進学したり、就職したりと、巣立って行く姿は、とても感慨深いものです。
生徒みんなで教師に色紙を描いてくれたり、国のお土産やサプライズプレゼントをもらうこともあります。
中には、卒業しても、連絡をしてきてくれる人もいて、繋がりが続いていくこともあります。
いつか彼らが国へ帰ってしまっても、旅行として遊びに行き、再会するなんて楽しみもできたりします。
いろんな事がある日本語教師ですが、全部ひっくるめて、私は、とてもおもしろい職業だなと思います。
これから日本語教師を目指す人は、ぜひ楽しみながら頑張って欲しいなと思います。
以上、日本語教師をしていて良かった事とやりがいについてでした。