学校・保育・教育の体験談

結婚を機に仕事を辞め、教師から専業主婦になりました

投稿日:2019年4月5日 更新日:

教員として働いていた過去と周りからの評価

かつて、教員として中学と高校で働いていたことがあります。

日本ではまだ教員に対する評価が高く、教員をしているというだけで周りから「頭が良い」「努力をした成果」などと言われたこともあります。

もちろん教員の仕事は簡単ではなくストレスで悩まされたこともありますが社会的にはかなり恵まれた仕事だと思います。

私は私立で働いていましたので、部活動等でのストレスを受けることもなく、同僚との人間関係に頭を悩ませたこともありましたが、生徒たちとは極めて良好な関係を築いていました。

保護者との対応にも真摯な態度をとりましたし、保護者からもそれなりに人気があったのではないかと思っています。

 

結婚を機に教師を辞める!その決断について

結婚することになり、教師を止めようと思いました。

本来ならば止める必要は無いのですが、結婚で違う地域に行かなければいけなかったこと、私の場合は結婚相手の仕事の都合で海外に行く予定があったため、そもそも仕事を続けるのは不可能でした。

もともと2年間遠距離恋愛をしていましたから、結婚する、つまり一緒に生活できるということが嬉しくて、仕事を辞めるということにも躊躇はありませんでした。

しかし、やはり教師という仕事を辞めるとなれば、周りからは止められることもありました。

もったいないなとも言われましたが、結婚して仕事を辞めなければいけないとなれば話は別です。

また、結婚によって女性が仕事を辞めなければいけないなんて不平等だ、という考え方もありますが、私は仕事を辞めてでも彼と一緒になりたいと思っていましたので、特にその決断を躊躇した事は1度もありません。

 

専業主婦になって周りからの評価が変わる

ただし、決断を躊躇したことがない一方で不満に感じることもあります。

私は大学院の学位も持っていますし、教員として働いていた過去もあるのですが、専業主婦になれば話は別です。

特に専業主婦であると「特に取り柄がない人」「1日中家で何をしているんだろう」「時間ばかりたくさんある」などと思われることもあり、なんだか何もできない人になったような気がするのです。

私は結婚して住み始めた国で就職活動をし、実際に内定もいただきました。

しかしその国では就業ビザの取得が厳しく、ちょうどその仕事がマスコミに関する仕事であったこと、過去に教員歴しかなく、マスコミに関連した仕事をしたことがないということで就業ビザが取得できませんでした。

その直後に妊娠し子供が生まれたため、いまだに専業主婦です。

最近はフリーランスとしてライターの仕事を始め、それなりに収入を得るようになりましたが、周りから見て分かる仕事ではないため、ほとんど専業主婦と同等に扱われます。

今は子供が小さいため、そもそも就職活動をしても子供はどうするのか、預け先がない、などという問題に直面し、しばらくは仕事をしないつもりです。

しかし、だからこそ周りからは「ただの専業主婦」などと思われることも多く、非常に不満に感じることも珍しくありません。

仕事をしている女性の方が母親として子育てをしている女性よりも優れているわけではないと思うのですが、どうしても仕事をしている女性の方が立場が上のように見えたり、本人たち自身が「自分たちの方が成功している」といった態度をとることもあるように思います。

特に自分よりも年下の女の子達からそのような態度を取られると非常に不愉快です。

働く女性とは何か、母親として子供を育てる女性とは何か、いろいろ考えさせられます。

 

子育てをしながらの仕事は難しい

そんな中、やはり子育てをしながら仕事をするという事はそれなりに難しいと感じています。

もしも近くに家族がいたり、いつでも預けることができる保育園などがあるのであれば話は別ですが、私たちの場合は家族が近くにいるわけではありませんので、子供の責任は自分たちでとらなければいけません。

預ける環境が整っていないということで仕事ができない場合もあります。

日本でも、例えばシングルマザーが子供を保育園に預けられず、働けない、お金に困る、などという事態が発生していますよね。

また、日本だけではなく海外でも子供がいる年齢の女性は仕事が見つからないといった問題があります。

いちど仕事を辞めてしまえば、女性はその次の仕事を見つけることが難しいです。

結婚していないけれど結婚適齢期という女性であれば、「結婚すれば仕事を辞めるのではないか」「妊娠したら、出産したら、仕事を辞めるのではないか」などと思われてしまい、また、妊娠してからも流産や早産等の関係で仕事を続けられなくなってしまう女性もいますから、結婚適齢期から30代ほどの女性はどうしても敬遠されてしまうのです。

そのため、仕事をいちどやめてしまうとなかなか見つけることができません。

 

女性が仕事をしやすい社会になってほしい

もちろん、そのような女性が職場で受け入れられるという事は夢物語なのかもしれません。

しかし、その一方でそのような女性を嫌がる男性もいますし、同じ女性でありながら子育てに邁進する女性を馬鹿にした発言をする人もいます。

そもそもそのような人がいる以上、女性が働きやすい社会はできないと思います。

また、特に日本は子供に対して冷たいとも言われていますよね。

電車に乗るときにはベビーカーをたたむべきだ、妊婦は優先席に座るべきではない、などという人もいますが、例えば1歳の子供であれば軽く10キロはあります。

片手で10キロを抱え、片手でベビーカーを持ち、荷物をリュックで背負い、電車に乗ったとしましょう。

揺れる電車の中でどのように体を支えるのでしょうか。

確かに妊娠は病気ではありませんが、妊娠中はお腹も張りますし、立ったままでは疲れます。

バランスも崩れやすいです。

そのような子育て中の女性や子ども連れの女性に冷たい社会だからこそ、子育てをしながら仕事をしたいと考える女性が理解されないのではないでしょうか。

子供を育てながら仕事をしたい、両立させたい、と考える女性がもっと働きやすい社会になることを願っています。

また、仕事をせずに子育てに集中するという女性が仕事をする女性よりも劣っている、という考え方もおかしいと思うのです。

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