学校・保育・教育の体験談

続けるか悩んだ小学校教師。5年で退職。

投稿日:2021年9月14日 更新日:

●20代後半に小学校教師に

大学を卒業してとりあえず、教師になるかということでなったのが小学校の教師。

普通の小学校ならまだ良かったのですが、そこが中学受験を専門にしている私立小学校。

つまり、小学校の授業が普通の学校とかなり違う。

中学受験に特化しているのです。

そのなかでも特に大変だったのが、理科と社会。

その内容がとても詳細で自分でも勉強をかなりしなければならない状態でした。

 

●クラス崩壊

はじめのうちは、時間が無い中自分の予習が足らずに、しどろもどろになりながら授業をしていました。

そんな感じなので、クラスの小学生は全く聞いてくれません。

興味を持っていない顔で聞いています。

そんな興味を持たれないで続けていたクラスが、時間を追うごとに緊張感がなくなっていきます。

小学生は、次第に話し始めたのです。

そして、いよいよ話始めると、クラス中でみんなが勝手に話始め、収集のつかない状態になってしまいました。

そこで叱れば良かったのですが、そんな勇気もなく、放置してしまいました。

まさにクラス崩壊という感じです。

 

●試行錯誤

このままではいけないといろいろと考えました。

まず、算数などの授業は真剣に小学生も聞いてくれているのです。

つまり、自分も得意で理解していることに対しては、小学生もついてきてくれているのです。

しかし、自分の知識があまりなくしどろもどろになっている理科の授業などは崩壊しているのです。

これはまず、知識をつけなければいけないと思いました。

必死に理科と社会の勉強です。

教科書にのっている知識を詰め込みまくり、何度も何度も説明の練習をしました。

そして、授業をしていると、まだ興味は無さそうですが、少しずつ聞いてくれるようになりました。

それでもまだつまらなそうです。

 

●模型を使う

もっと興味を持ってもらうにはどうしたらいいのだろうと思っていました。

するとテレビで理科のテスト問題をする番組がやっていました。

小学生も出ていて、とても興味深そうに参加しています。

その番組では、説明に模型などを使いとても分かりやすく説明していました。

この番組をみて、「これだ!」と思いました。

小学校の授業でも模型を使って分かりやすく説明すればいいのだと思いました。

それから、ちょうど花の説明に入る授業前だったので、花の模型を作りました。

そして、実際に小学生に花の模型を出して、説明しました。

すると、小学生はとても興味深そうに聞いてくれました。

みんな真剣に聞いています。

かなり模型を作るのは大変だったけど、1年目に作ってしまえば、次からは同じものを使えると思い必死になって作りました。

多くの模型が家の中に出来上がりました。

そんな一つの授業をするのに、相当な時間をかけていました。

ただでさえ朝早くに学校にいき、夕方まで授業をして、夕方以降から夜にかけては、職員室で仕事です。

そして家に帰ってから深夜になるまで模型作りをしていました。

●ブラックな状況はさらに悪化

その小学校はテスト期間がありました。

そのテスト期間はさらに地獄です。

小学生のテストをすべて採点しなければならないのです。

とんでもない数をすべての教科でやらなければならなかったのです。

とんでもないことでした。

学校で採点が終わらないと家に持って帰ってやることになりました。

そんな毎日が続いて、ブラックな状況で体調を崩してしまいました。

 

●教師を続けるか悩む

普段の授業をするときも、模型作りなど授業の準備に追われ深夜までかかり、テスト期間は採点に追われ深夜まで働き続ける。

それだけ仕事をしても、給料は日中に働いた分しか出ないという状況でした。

こんな状態をずっと続けていくのは、本当にいいことなのだろうかととても悩みました。

 

●1年目の終了

そんな悩みを持ったまま1年目が終了しました。

しかし、そんなときに、来年もやっていこうと思えるようなことがありました。

それは、クラスの男の子が自分のところにきて、理科の質問をしてきました。

そして、先生の模型でとても分かりやすいと言ってくれたのです。

自分の準備というものが、少しは役に立っていることがわかり、いくらかは救われました。

 

●他の教師との交流

学校での時間は、ほとんど生徒のための時間でした。

授業をしたり、授業準備だったり、生徒のために追われていました。

なので、テレビドラマにあるような教師同士の交流というのは思ったほどはありませんでした。

しかし、教師同士の交流が唯一の息抜きでした。

教師同士で、ばかなことを言い合いながら、生徒の話をしたりするのが息抜きになっていました。

 

●5年で辞める

そんな状況も5年で終わりました。

やはり、毎日のように深夜まで働いているのに、夕方までの給料しか出ないのが納得いきませんでした。

今では、IT業界に移り仕事をしています。

教師のときの経験もいきて、プレゼンがとてもうまいと褒められています。

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