・新卒で入社した大手企業
大学を卒業して、新卒で大手企業に入社しました。
周りも私も内定がなかなか貰えない時に、やっと内定がもらえた一つの会社でした。
会社の名前を言えば周りからは「すごいね!」と言わるけれども、会社の実態を見た時にはブラックすぎて、今では退職できたよかったと思っています。
新卒で入社したときに私は22歳。
しかし一年半後の23歳にはすでに退職しました。
あまりのブラックさに自分がついていけず、会社に行く電車の中で毎日胃痛がするようになってしまいました。
・表向きはホワイト、実態はブラック
私は営業として入社したので、最初の三か月ほどは同期たちと研修があり、研修所に毎日缶詰め状態の日々でしたが、三か月後にはそれぞれ別の店舗に配属され、同期と会うこともなくなりました。
表向きはとてもホワイトで、大手企業なので福利厚生はしっかりしているし、研修もしっかりしていて、研修の開始、終了時間は時間通りだったので残業などもなく終えることができました。
同期とも三か月間毎日一緒だったので中が深まり、この同期たちと一緒なら今後も頑張っていけると思っていましたが配属が決まると同期と会うこともなくなりました。
営業職なのでそれぞれの地域によってお客様の色が異なり同期と仕事の相談をしようにも話が合わなくなり、会うことも連絡を取ることも少なくなっていきました。
表向きはホワイトなのでしっかりしているように見えましたが、配属してその内面のブラックさが露になりました。
・自分のことは自分で
同じ店舗に二人の同期が配属されることはなく、全員一人一店舗ずつに配属されていきました。
なので配属先には先輩たちしかおらず、なかなか仕事のわからないことも聞きづらい雰囲気もありました。
先輩たちは常に忙しそうにしていて「研修受けたんだろ」という態度で、店舗に入るなり、手取り足取り教えてくれる人はいませんでした。
その中で私は研修を受けた電話応対をひたすらやるしかなかったのです。
そんな時、自分の振り分けられたお客さんの元に挨拶に行くため、上司とともに行くことになりましたが、そこでも上司は手本などを見せてくれるわけでもなくいきなり自分ですべてを任されました。
他の先輩方についていく時もありましたが、そういった時も先輩は自分の時間を割いて私の営業先についてきてくれているので自分の仕事が滞っている状態になり、私も申し訳なさからあまりついてきてほしい、や教えてほしい、ということが言えないのが現状でした。
・パワハラは日常
そんな時、先輩がパワハラに遭っているのを目の当たりにしてしまいます。
発端は「ノルマに達していない」という理由で上司がハサミを持って先輩を脅しているところでした。
事務所内で大声で先輩を怒鳴りつける上司。
日常茶飯事の状況なのでしょう、他の人は見て見ぬふり。
謝ることしかできない先輩。
「ノルマに達せないなら、自分を犠牲にしてでもノルマを達成しろ」と怒鳴る上司。
蓋を開けてみると他の先輩方も全員ノルマに達せない月には自分の名前や自分の家族、架空の人の名前で契約をしていたりしました。
もちろんその契約金も自分たちで支払います。
その状況を目の当たりにした時に、今は自分は新卒で定時上がりさせてもらっていてノルマは課せられていないけれど、いずれはこの先輩たちのようになってしまう、と恐ろしく思ったのを今でも覚えています。
この状況下で、先輩が上司に怒鳴られている状況で「定時になったので失礼します」と出ていくのもとても気が引け、毎日胃がキリキリと痛んでいました。
・自分にも課せられたノルマ
最初は新卒だから、と免除されていたことも段々と課せられるようになってきました。
ただ、自分にはそのノルマを達成できる自信がなく、ノルマに達さなかった月は他の人がカバーしてくれることが当たり前となり「自分のせいで先輩が犠牲になっている」という現状を突き付けられることにも心が痛みました。
事務所に戻れば自分も上司に「今日は何をしていた」「どこの誰と何時からアポを取っていた」「何件取れた」など報告し、詰められるその時間が苦痛で仕方ありませんでした。
営業で外回りをしているときには、仕事用のケータイには上司からの不在着信が何件も入っていることがありました。
あえて私は無視をし、その場ででっち上げた架空のアポなどを報告するようになり、その嘘をつき続けている自分にも嫌気がさしました。
・人事部に告発
パワハラが日常化していることを人事部に告発しましたが、人事部にいる人たちも元営業の人たちで実態は把握しているので「仕方ないこと」といって取り合ってくれませんでした。
そのため泣き寝入りするしかなく、でもこんなことを続けられないほど体が、精神が限界を迎えていたので私は退職することにしました。
当時彼氏と同棲していた私は結婚が決まったため、と言って退職をすることにし、その後は派遣社員などを経て、二人の子どもを育てています。