・転職活動を通してとある企業と出会った流れ
私は当時25歳で、3年間働いていたホテル企業を退職する事になりました。
理由はスタッフ人員の不足や夜勤中心の生活に肉体的にも精神的にも疲れた事、また違う新しい事に挑戦したいと決断した為です。
店舗の支配人との面談を通して退職日が決まり、それを機に転職活動をスタートさせました。
行きたい業界はありましたがこれというこだわりはなかった為、様々な業種や職種に目を向けていました。
そこである日目に留まった企業が今後酷い目に遭うブラック企業という事です。
・企業の詳細や入社に至った経緯や流れ
転職サイトを通して見つけたその企業の求人は「商品企画・プロモーション」でした。
商業施設やコンサートホールなどのイベント会場で、より商品が売れるような取り組みを企画・運営して頂くという内容でした。
学歴不問、職種・業種未経験歓迎、第二新卒歓迎と誰でも挑戦ができる内容でした。
これを見た際に「商品企画を未経験でも挑戦できるのはすごくやりがいがありそう、ホームページのブログもみなさん楽しそうな感じが窺えて良さそう」と感じ、すぐ応募しました。
一次面接のWEB面接を無事通過し、最終面接は企業のオフィスで行いました。
オフィスは比較的綺麗ではありましたが、少し狭いような印象でした。
面接官は代表取締役であり、企業の詳細や業務内容を伝えて頂きました。
その際に「最初の1ヶ月程度は皆さん営業をしてもらいます。その後は皆さんの力量や希望によって進みたいキャリアに配属させて頂きます。」と言われました。
正直営業はあまり好きではありませんでしたが、最初の1ヶ月くらいなら頑張ってもいいかと思い、承諾しました。
とても人柄が良い方で緊張しながらも終始和やかな雰囲気だった気がします。
最終面接の結果は合格、決まった瞬間は喜びが爆発して興奮していた事を覚えています。
これが地獄の始まりだとはこの時は知る由もありませんでした。
・入社してから感じた違和感
最終面接の合格通知は電話で行われました。
嬉しさも束の間、雇用契約締結日と入社日はいつにするかという内容になりました。
契約書類の作成や雇用に対する準備等企業側が時間を要すると思い、この時入社は数週間後になるのかなと考えていました。
ですが、この時に返ってきた言葉が「いつから出勤する?ちなみに明日から入社できるよ。」でした。
それを聞いた瞬間「えっ!?」って思いました。
そんなすぐに入社出来るものかと、書類など企業側は問題ないのかと耳を疑いました。
ただ私自身すぐに働きたかった為、翌週の初めに契約書にサインして翌日に初出勤する事になりました。
契約日当日、契約書にサインに立ち会ったのは最終面接の面接官をした代表取締役ではなく、違う企業のオーナーでした。
実は私が受けた企業のオフィスは様々なオーナーが共に事業を行う共同オフィスだったようで、そこで初めて知りました。
まあそんな事は特に気にせず契約書に目を通していたのですが、ここでおかしな点を発見しました。
契約書に「雇用形態:業務委託」と書かれていたのです。
私が応募した求人は「正社員」だったのです。
また、契約する企業は応募した企業ではなく、共同オフィスで事業を行っている別の企業との契約だったのです。
流石に内容が違ったので「契約って業務委託なんですけど合ってます?」と聞きました。
その時オーナーは「他のみんなも同じ契約書で契約してるよ、問題ないよ。」と言っていました。
契約期間に関しても3ヶ月とあり、これもオーナーは「これも期間が過ぎたら自動でこちらで更新しとくから大丈夫だよ。」と。
この時にもっと追求しておけば良かったと今ではとても後悔しています。
この時何も知識がなかった私はそんなものかと思いサインしてしまいました。
これが最終的に悪夢を生んでしまうきっかけになりました。
・実際に始まった業務、ますます不穏な空気が立ちこめる
入社初日、緊張しながらオフィスに向かうと他の社員の方が笑顔で向かい入れてくれました。
オフィス内はとても明るく、皆さん和気藹々で話されており、良い企業に入ったなと感じていました。
朝礼が始まり昨日の営業の上位成績者の発表とオーナー陣からの営業アドバイス、営業のロープレを行います。
朝礼が終了すると皆さんが一斉に外出して営業をスタートさせます。
ちなみに営業内容は飛び込み営業で各地に出向いて飲食店や企業を手当たり次第訪問して商品を売り込みというものでした。
商材は当時浄水サーバーでした。
飛び込み営業は営業の中でも一番レベルの高い営業であり、結構難しいです。
私も最初は先輩社員と一緒に回っておりましたが、ある程度学んだ後は独り立ちをして各地を回るようになりました。
やはり契約獲得する事はとても難しく、件数はそこまで多くありませんでした。
ただこの時は「1ヶ月頑張れば良いんだ、やれるだけの事はやろう」というマインドでした。
そして入社して1ヶ月となり、給料が入る25日となりました。
私は4月中旬に入社しているのでそこまでは多くないだろうとは思っていましたが、久々の給料に気分はウキウキでした。
ですが、ここで事件が発生します。
給料が一切入ってこないのです。
夜になっても翌日になっても1円も入ってきません。
流石にこれには唖然としました。
応募した求人には「給与:月給26万以上+インセンティブ」と記載があったので、なぜこんな事が起こっているのか分かりませんでした。
ただ、これに関しては「多分私が入ったのが最近だからまだ給与反映されてないだけだ、来月には確実に反映されるはず」と重く見ていませんでした。
この時私はブース営業というものをやっていました。
商材は同じで、営業する場所が飛び込みではなく商業施設の一角をお借りして、そこで買い物客に対して行う営業でした。
この営業はオフィスに行かず直接現場に出勤して時間が終わり次第直帰します。
その為、給料が反映されない理由を聞くタイミングがなかったのも事実です。
ただ、この後先輩社員から衝撃の事実が告げられます。
・衝撃の事実、騙されていた真実
1週間後、ブース営業中に先輩社員と同時期入社した社員3人で企業に関して話し合う機会がありました。
その時に私は意を決して先輩社員に給料やその他企業に関して尋ねました。
ちなみにこの際もまだ給料は一銭も入っていません。
「給料ってどうゆう仕組みなんですか。交通費とかどう申請したらいいか何も聞かれてないのですが。」
その時に先輩社員が発した言葉を今でも鮮明に覚えています。
「給料はフルコミッション(完全歩合制)だよ。営業で稼いだ分しか入らないし、もし契約がクーリングオフとかでキャンセルになれば0円だよ。交通費はその日契約獲得しないと申請できなかったはず。」
頭が真っ白になりました。
まさかフルコミッションだなんて全く思ってもいませんでした。
これに関しては求人にも記載はなく、最終面接時や契約時の説明、契約書の記載にも一切ありませんでした。
先輩社員が言うには、浄水サーバーの契約獲得において報酬が入る事象は顧客の元に浄水サーバーが届いて初めて発生するとの事。
クーリングオフ制度がある為、浄水サーバーが届くのは契約してから2週間後以降の設定になる、そして報酬の支払いに関しては浄水サーバーが届いた月の換算となり、翌月に支払われるとの事でした。
つまり、全てをまとめると固定給は存在しない、契約獲得した報酬は翌月以降に振り込まれる為、今月の給料が0円であったという事です。
給料は支払われなかったのではなく、そもそもなかったのです。
またもう1人いた同時期に入社した社員の方も知らなかったそうで、私と同じように唖然としてました。
結果こうして騙されてしまいました。
騙された点をまとめますと、まず雇用形態は求人では正社員との記載でしたが実際は業務委託。
先輩社員によると正社員は全くと言って良いほど雇っていないそうです。
給料は「給与:月給26万以上+インセンティブ」との記載でしたがこれも嘘で完全な営業のフルコミッションでした。
実際に契約1件に対しての報酬も低く、キャンセルされると0円になる為、結果3ヶ月働きましたが給料は合計約9万円でした。
貯金が入社当時は100万円程度ありましたが、30万円まで落ちてしまいました。
福利厚生も交通費全額支給や各種社会保険完備等たくさんありましたが、これもほとんどが嘘。
社会保険も個人事業主扱いの為ありませんでした。
全てとは言い切れませんが、唯一あったのは商材として使っていた浄水サーバー使い放題くらいでした。
業務内容も「商品企画・プロモーション。イベント運営」でしたが、これも良いように書いているだけでゴリゴリの営業です。
応募を多数募る為に書いているだけです。
結果大半が嘘で固められている事が判明いたしました。
・最後に
退職の際に契約時に立ち会ったオーナーと話したのですが、契約時に「給料や福利厚生等一切説明がなかった」と伝えたのですが、「あれっ?言ってなかったっけ?」と惚けられました。
労働基準法では契約時に給料や勤務時間等の契約内容を明記、もしくは口頭で伝えなければいけません。
つまり労働基準法に違反していました。
ただ、その際の契約書の写真を撮っていなかったりと証拠がなかった為に通報する事ができませんでした。
なので、もうしょうがないと割り切って良い人生の勉強になったと気持ちを切り替えました。
契約時にしっかりここを確認しなかった私が原因でもあります。
次は失敗しないようにと現在慎重に転職活動をしております。
ちなみに簡単な内容は以下の通りです。
・職業:浄水サーバーの営業
・雇用形態:業務委託
・勤続年数:3ヶ月(生活ができなくなった為に退職しました)
・給料:3ヶ月で約9万円