医療・介護・福祉・看護の体験談

虐待のあった介護職。労基への報告体験談

投稿日:2024年5月25日 更新日:

・プロフィール

・介護職

・正社員、39歳、男性

・勤続年数:3か月

・月収23万円、ボーナスはなしでした

 

・入社の経緯

介護業界歴10年以上、現場の他、事業所の管理職もしていました。

前職を退職して失業手当をもらいつつ生活していたところ、知り合いから「うちで働いてほしい」との連絡がありました。

直接の接点はない人物(私の管理職時代の2代あとの管理職だったらしい)でしたが、そろそろ就活も考えていたので引き受けました。

 

・会社規模と仕事内容

高齢者グループホームが根幹で訪問介護が1か所、児童デイサービスを2か所経営していました。

業界内では小さな規模の会社です。

グループホームに勤めることになりました。

従業員は社員、パート合わせ15人程。

私の役職は副施設長。

誘ってきた知人が施設長でした。

事務所は社長と施設長のみ。

他は全員現場。

私はその中間、すなわち現場と事務所を兼務するような形で仕事をしていました。

3階建ての建物で事務所は1階で現場は2、3階でした。

 

・両陣営の亀裂とコミュニケーション不足

介護現場は派閥が多いものですが、この会社は事務所と現場で派閥が分かれていました。

現場は社長、施設長を蛇蝎のごとく嫌い、社長と施設長は現場を強く否定していました。

従業員からの報告はほぼありません。

事務所からの伝達事項は階段の踊り場への貼り紙。

初めて見た時は「江戸時代のお触書きやないねんから・・・」とツッコんでしまいました。

なぜそんなに亀裂が入っているのか。

答えは単純なコミュニケーション不足をこじらせていることでした。

例えば会議は集まって義務的に対話するだけで意見がありません。

社長らのダメだし、当たり前の介護論を聞くだけの現場職員でウンともスンとも言いません。

まあ、言っていることは正しいのですが圧が強く、意見具中ができる雰囲気はありません。

というより早く終われ感がひしひしと伝わってきます。

そしてそれぞれが自分たちの”場所”に持ちかえってグチグチ言う。

これがエスカレートしている様子でした。

そんな両陣営の間にポンと入ったのが私なわけです。

 

・客観的事実として

事務所では現場への愚痴を聞かされ、現場では事務所への愚痴を聞かされる毎日。

お互いが粗さがしをしている雰囲気でした。

聞くたびに「はあ・・・」「そこは預かり知らないです」と答えることが増えていきました。

内容がくだらなかったので。

ただ、認識されていない問題点も見えてきました。

求人を見て驚いたのですが、夜勤手当が出ていないのです。

入社間もなかった私の初めての能動的な行動がこの件のみんなへのインタビューでした。

施設長と従業員に聞いたところ、「はい。だから夜勤者の応募がない」と意見が一致。

22~5時の間は夜勤手当を付ける義務があるのですが社長がケチりたかったようです。

他にも出るわ出るわ・・・。

交通費は一日100円、食事代は食べなくても強制天引き、有給消化は原則不可、虐待をしているヤツがいる、カルト宗教の勧誘をする人がいる、〇〇が異常なぐらい残業したがる(5時間ぐらい)などなど。

全て証拠があるものでした。

風紀が乱れているというより法令順守もできていないのでは、と感じるように。

「ここヤバいんじゃね?」とストレスを強く感じるようになりました。

なお、残業代は一切出ない会社でした。

ボーナスも出ません。

求人では「出る」と書いてありましたが。

虚偽です。

 

・それでも日常は続いていく

現場も事務所もしっちゃかめっちゃかで陰で文句を言い合い、業務を改善することはなく、とりあえず仕事をしていく・・・。

いや、大事なのは仕事でしょう、と。

メタ発言ですがこのコラム、ここまで介護の話題がほぼ出ていません。

みんながどんな介護をしていたのか覚えていません。

それぐらい他の事が強烈におかしかったのです。

おかしいが日常でした。

入社して2か月、ついに私は爆発しました。

早い。

 

・おかしな事実を訂正すればいいんじゃね~私の義務

先述した客観的事実。

夜勤手当や交通費、食事代、虐待、勧誘、虚偽の求人。

それら全て証拠を揃えて然るべきところへ報告しました。

労働基準監督署、監査指導課、ハローワーク等々。

給料明細、虐待音声、求人票があるので各機関とも「調査のうえ、然るべき対処を」約束してくれました。

これで達成感というにはほど遠い、しかしやり遂げた感が私を襲いました。

「これで多少は働きやすくなるだろう、利用者さんが安心できる介護事業所になるだろう」と。

やりがいなど何もない、疲弊し、燃え尽きた感の強かった私の次の行動は、速やかな退職でした。

 

・その後

次の職場ではのんびりと介護の仕事をしています。

前の職場は今も健在です。

当時の従業員からたまに連絡が来ますが「管理者は辞めた。足の引っ張り合いがひどく離職者が多い」らしく、相変わらずなようです。

ただ、求人票には「夜勤者の給与見直し!大幅アップ!」とのたまった見出しをつけていました。

よくやるわ、と思う職場でした。

これが私のブラック企業体験です。

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