私は現在40代女性です。
学校を卒業してから、国家資格を取り、病院での仕事をしています。
私が勤務していたブラックな企業ですが、始めはそんな印象は全くなかったのです。
とても大きな総合病院だったし、いろいろなことを手広くやっているなあという印象。
それが実はブラックだったということに後にびっくりすることになるのでした。
そんな体験談を紹介していきます。
・総合病院でいろいろなことを学びたい!
私がそもそもなぜその病院に就職しようと思ったのか。
いろいろな理由がありますが、その一つに、総合病院ならいろいろなことを学ぶことが出来るのではないかということでした。
私は一番初めに就職して一つの科にずっと勤務していました。
途中で勤務場所の変更があるかと思っていましたが、それもなく約7年間ずっと同じ場所で勤務を続けていました。
不満はなかったけれど、やはり他の科も勉強したい!勉強したいと思って、転職をしたのです。
そしてその総合病院の中でも一番宣伝となる技術も、人気も高い科の病棟に配属になりました。
始めはマンパワーもそれなりだと思っていました。
もちろん2交替制で勤務は楽ではありませんでしたが。
しかし、だんだんと看護師が辞めていったのです。
もっと労働条件の良いところに転職をしたり、産休に入ったタイミングで退職という人もいました。
それで徐々に誰かが急に休むと勤務が回らないくらいの状況になってしまったのです。
私はまだまだ入職して1~2年がたったころで、それほどこの病院の状況を知りませんでした。
またきついながらも看護師同士の関係、看護師と医師の関係も悪くはなかったので、私なりに楽しく働くことが出来たのです。
しかし、状況は次第におかしくなってきました。
マンパワーがどうしても足りないのです。
他の病棟からの応援で何とか回せるくらい。
しかし、他の病棟に手伝いに行くというのは、状況も違いますし、患者様の把握すらできていませんよね。
だから、応援の人はよっぽど嫌だっただろうなと思いました。
また、看護師の求人を出しても一向に新しい人が入ってこないということに幹部は頭を悩ませていたと後から聞きました。
地方のまずまずの中核病院、総合病院でしたし、それなりに歴史もあるので看護師を募集したら入ってきてもいいはずなのに。
今は転職サイトなども数が多いですし、紹介もたくさんあります。
ただ私が働いていた当時、転職サイトの数は今よりも少なかったという現状がありました。
また転職サイトを通じて就職をすると、採用側が転職サイトに対して紹介料などを含めた数十万円を支払わなくてはいけないのです。
決して安い額ではありません。
そのようなお金をケチっているのかなという看護師同士の話もちらほら聞きました。
ではどこから看護師を採用するか?
それはハローワークや直接の申し込み、あとは4月に新人採用をするといった方法だったのです。
しかし、看護師が一人前になるにはとても時間がかかります。
経験者であっても、科が違えばやることも違うので、始めは全く動くことが出来ません。
私も転職当初は、これまでとは全く違う科であり、経験したことのないことばかりだったので、毎日が勉強で大変でした。
そのため、もしかすると病院の状況を把握していなかったのかもしれませんね。
自分の目の前のことしか見えていなかったと思います。
でも知ってしまった時には、おかしいなあと思うことがたくさんありました。
他の病棟からの看護師の応援もそうです。
また勤務表の名前が操作されているなと感じたこともありました。
だって見たことのない名前があったからです。
そんな過酷な病院ではありましたが、看護師確保のために一ついいことがありました。
それは、子育て中の人でもしっかり働くことが出来るようにと、託児所が完備されていたことです。
大きな病院ならば、託児所はあるのが当たり前だと言えるかもしれません。
しかし、地方ではまだまだ託児所整備が遅れているところもたくさんあるのが現状です。
その中で、勤務の時にはもちろん、委員会や研修といった時にも預けることのできる託児所は本当にありがたい存在でした。
実はその託児所、病院幹部の子どももいたので、楽しませるために行事ごとがたくさんあったのです。
クリスマス会、お花見など子どもは喜んで行っていました。
それが一番良かった事かな。
私がその病院にいたのは結局約3年間。
そして常々勤務が過酷だ、辛いと思った私も妊娠を理由に退職することにしました。
だって、マンパワーがいない中で、過酷な勤務を妊婦が乗りこなせると思えなかったからです。
今考えると、とてもマンパワーも足りず、おかしな勤務表のあるブラックな病院だったなと思います。
しかし、医療業界もしかするとそのようなところはあるかもしれませんね。
常に看護師不足は問題になっているかな。
ただ私が実際に体験して思ったことは、身体的にも精神的にも大変。
でも看護師としての使命があるからこそ、みんな乗り切っていたのかなと思います。