・プロフィール
当時22歳、新卒で介護職員として勤務していました。
勤続年数は2年で、退職済みとなっております。
・家庭的な場所を売りにした施設
私が働いていたこの介護施設は、「家庭的」を売りにした施設で、季節折々のイベントや食事に対してもとてもこだわりをもって行っていました。
イベントではお正月、豆まき、夏祭りなどに加え、各部署ごとにお月見や、花見、クリスマスなど毎月のように様々なイベントが行われ、ご利用者様にはとても楽しんでもらえていました。
・タイムカードを打刻するときの注意点
様々なイベントを行うという事は、それだけ準備が必要となってきます。
しかし、勤務時間内はご利用者様の対応で追われ、イベント準備だけでなく、その日の業務や明日の準備等もままならないことが多かったです。
そうなってくると必然的に残業をせざるを得ない状態でした。
しかし、残業手当をつけてもらえることはなかったです。
この介護施設はタイムカード方式で、勤務時間を過ぎてからタイムカードを押すことは許されませんでした。
例えば、デイサービスの送迎で渋滞にはまり、勤務時間内に帰ってこれなかった場合には、タイムカードをもってセンター長に戻ってこれなかったことの謝罪をし、勤務時間内の時間を記入してもらい、明日の準備のための仕事に戻ります。
配属された時にこうするものだと教えられたため、これが普通だと思っていました。
・職員旅行の注意点
職員旅行が年に1回ありました。
会社によって職員旅行はよくある事だとは思いますが、あの介護施設は強制参加で、有給を使って行っていました。
一緒にいくグループも勝手に決められるので、全然話したことの人と1泊2日の旅を共にすることとなります。
今でいうアルハラやセクハラも日常的に行われる宴会もあり、とても苦痛な職員旅行でした。
また、有給休暇は全部上司が毎月割り振り、勝手に使用したこととなっています。
しかも、休日も呼び出されたり、終わらない仕事をするために施設に出勤するため、ゆっくり休める休みが月に2日あれば良い方でした。
用事があって休みたくてもシフトに入れられていることが多々あり、シフトが出るまで予定を入れることが難しかったです。
・ケガをしてしたときの注意点
現場ではどうしても職員がケガをしてしまうことがあります。
施設にいる看護師では対処できないものは病院に行くのですが、看護師長から「施設でケガをしたと絶対言わないように」と毎回言われていました。
指を何針か縫った方も、骨折をしてしまった方も、「家で」けがをしたことになっていたので、会社とはそういうものなのかと思っていました。
私が火傷をしたときは、上司は「爛れていないから大丈夫。病院に行く必要なし」と判断しましたが、看護師の方が上司を説得してくださり、病院に行くことはできました。
・退職のきっかけ
辞めようと思ったのは、火傷が原因でした。
今まで家族には「今すぐ辞めて帰ってきなさい!」と言われていましたが、この介護施設のブラックさには全く気付いていませんでした。
しかし「爛れていないから大丈夫」と言われたことで、火傷をしても爛れるまで頑張らないといけないのかな…とふと思い、辞めようと決意することができました。
・続けていける人の特徴
あの介護施設で長く働けている方の特徴としては、上司にごまをすることができる方が勤務年数が長いなと感じました。
家族経営だったため、人間関係はとても濃かったです。
会長、専務等に気に入られないと、とても冷たい対応となります。
どの会社でもそうかもしれませんが、上司に気に入られる行動ができる人は長く続けていけるのだと思います。
・そんな状況でも助けられたこと
同僚や先輩がとてもよくしてくれたので、体力がきつくても、文句ばかり言われても2年勤めることができたのかなと思います。
休日は先輩と一緒に出掛けることもありました。
愚痴を言いあいながら、過ごすことで、なんとかモチベーションを保っていたのではと思っています。
パートのスタッフの中には親身に話を聞いてくださる方がいて、本当に今でも感謝しています。
・介護施設で得たもの
施設には様々な年齢、職種の方がいました。
施設を利用されている高齢者の方、働き盛りの世代、高卒で働き始めた子たち、小さいお子さんがいてパートとして勤務されている方、送迎のために来ているドライバーの方など多種多様な環境でした。
どの方たちとも上手く話をしていかなければならなかったので、退職することにはコミュニケーションが苦手な私でも、仕事を円滑に進められるよう色々な方に話しかけ、雑談やこうしてほしいなどの要望を聞くことができるようになっていました。
上長との間に挟まれて困ったこともありましたが、コミュニケーション能力を養ってくれた経験だと思います。
・転職してからは
あの介護施設を経験していると、どの会社もすごく良い会社だと感じられるところはとても感謝しています。
あの介護施設より悪い環境はないと思えるため、どの仕事も楽しく過ごすことができています。