■教師になった理由
私は数年間だけですが中学校の教職員として働きました。
理由としては漠然と昔から教師になりたかったということと、人に何かを教えてあげるのが好きだったためです。
教育大学に進んだため、周りの多くは教師になったので、私も自然と教師になりました。
■激務
教師となり働きだして初めのほうは、いきなり担任を受け持ったこともあり、仕事が全く追いつきませんでした。
児童向けの資料や保護者向けの資料を作るのもそうですが、やはり公務員なので古い風習が多く、無駄な事務作業が膨大にありました。
正直直ぐ帰ろうと思えばできるのですが、責任感が強い仕事なので、事務作業以外にも授業を準備したりしだすと、終わりがありません。
そして若い教師には確実に運動部の部活の顧問が回ってきます。
自分が経験したスポーツならいいですが、まったくやったことのないバレー部を任せられました。
部員からしても未経験の顧問なんて頼りないですし、部活に対しても全力で取り込み、部員のためになれるようにがんばりました。
暗くなって、部員を送り出すと、そこから大量の事務作業と授業の準備。
20時前後まで働き、朝の部活練習の監督のために朝一学校に向かいます。
それを週5で続け、ようやく週末ですが朝から練習試合で夕方まで潰れます。
日曜日は唯一のフルでとれる休みですが、事務作業や部活について考えたりするので正直気持ちは休まりません。
このような日々をすごしていると、最初はやりたかった仕事なのでやりがいを持って働いていましたが、残業代も出ないで、心身ともに摩耗する日々に気持ちが病んでいきました。
そういった診察などはうけたことがありませんが、正直当時はかなり危ない状況でした。
何も楽しいと思うことがありませんでした。
■職場環境の悪さ
仕事自体は好きだったので時間に追われながらもこなしていきました。
ただ先輩や教頭などに恵まれませんでした。
職員会議も何の生産性のない、だらだらとするようなもので、少しでも時間があれば寝たいとおもっていた当時からすると、会議を週二回、二時間以上することもあったので、かなりキツかったのを覚えています。
ネチネチとした人が多く、女性も多い環境なので風通しが悪く、若い先生たちにはあまりいい環境ではなかったです。
いまでも続けている人と話すことがありますが、どこの学校もそういった雰囲気があり、苦労しているそうです。
■やめようと決意する
何年か務めましたが仕事量は変わることがなく、変わらずに膨大な仕事をこなす日々。
あまりにもプライベートがなく、心身ともに摩耗するなか、同期で違う学校で務めていた友達が病気で退職しました。
いろんな人が病気でやめていく話を聞きますが、身近な人が初めて病気でやめていきました。
私は割とうまくいっていたのですが、友人は生徒との関係をうまく作れずに授業で生徒が問題を起こしたりその影響で保護者と仕事後に家庭訪問に日々行くなど、プラスアルファで大変な仕事をしていたそうです。
優しい性格な友人だったので、責任を感じていたようで、辞めていきました。
正直当時の僕は全く他人事に感じることができず、最後のほうは毎日がつらく、ギリギリになっていました。
他の友人の後押しもあり、三学期が終わり、退職することになりました。
■教師とは
教師は大学で教員試験で教員免許を取得し、教育委員会で採用試験に通れば正規採用として働けますし講師や私学の勤務もできますので、正直そこまで敷居は高くない職業だと思います。
30代くらいになると、普通の会社員と比べてもそれなりに収入もありますし、公務員で教職員であれば、どこにいっても胸をはっていえる仕事だと思います。
ですが今は改善されつつあるといいますが、かなり激務な仕事です。
朝も早く夜も遅く、土日も部活があります。
褒められることはほとんどなく、生徒や保護者の力がいまはかなり強いので、顔をうかがいながら仕事をしないといけません。
夢をもって目指す人が多い中で、あまりにも激務で責任感が強い仕事で残業代もないというような現実をちゃんとわかっている人はいません。
病んでやめていった友人や僕自身当時のことを思い出すと、本当に危ない状況でした。
僕たちのストレス耐性がないと言われればそこまでですが、僕たちのような人間がもう出てこないように、学校の教師の現場を、目指す人たちに知らせる必要があると思いました。
また現場も多くの人が知っていますが、仕方ないとか、どうしようもないで片づけています。
ですが病んでいくことに対して、病んだことがある人からすれば、それはどうしようもないことで済まされないことだと思います。
そういったいびつな環境が、早く改善されて、夢をもって教師を目指す人たちに、素晴らしい教師になれるような環境をつくってあげてほしいと思います。
そういう教師がたくさんいれば、またそういう教師をめざす子供たちが増えていくでしょうから。