若い時に大型運転免許証を取得していたことで、トラックであればだいたいものは運転できるということと、人間関係があまり得意ではないので、1人で運転して物を運ぶという運送業での仕事をしました。
約4年ほど働きましたが、このままこの仕事を続けていくことの難しさを感じ、転職いたしました。
従業員30人ほどの会社だったので、単発や大手の運送業の下請けのものが多く、いいように使われていたという印象でした。
その勤務実態はかなりつらいものでした。
『朝は5時出勤』
運送業の朝は早いです。
というよりも、正確に言えば24時間常にだれかは動いている、そんな感じでした。
私が担当することになった運送は朝5時にタイムカードを押し、朝6時に車の輸入品の部品を取りに行き、外車の正規メーカーのところに持っていくというものでしたが、毎日この仕事があります。
朝5時に出勤ということは、朝は4時15分に起きなければならず、毎回目覚ましをセットしないといけませんし、寝坊することができないので、毎日プレッシャーを感じていました。
夜明け前に動きだすというのは、道が空いていることや、朝日の美しい景色が見えるなど良い点もありましたが、朝から眠っている体を起こして仕事をし続けるのは容易ではありません。
『日中の時間と深夜までの時間帯の運送』
日中は、いろいろな仕事があり、大方のことは決まっていましたが、時々単発で入る引っ越しの仕事も良くしました。
それ以外は、ある程度決まったルート配送で、フォークリフトを使って積み込み、そしてターミナルに運ぶ仕事が多かったです。
日中の時間帯は、多少余裕があり、1時間くらいはなんとか昼寝ができる時間帯を作ることができます。
その後夕方から、もうひとつ大きな仕事があり、これが、スピード配送をうたう業者からの仕事で、発注されたものを、その日のうちにターミナルに運ぶというものでした。
夕方17時くらいから荷物がどんどん出てきて、締めの時間帯はだいたい夜の21時です。
それから積み込んだ荷物を、なくなるまでターミナルに持っていかなければならず、祭日やその前日などに注文が多く出る傾向があり、その時だと夜の0時を過ぎてしまうことさえ珍しいことではありません。
そしてそれから運転して…ということをしていると、明け方近くになってしまうこともあります。
そして朝5時にはいつもの仕事があるということで、ほとんど睡眠する時間がなく、居眠り運転をしてしまうのではないかと思うほどに疲れ切ってしまいました。
運送業というのは、本当に過酷であり、人手不足だったというのもこうなった原因の1つだと感じています。
『人間関係でのストレスはなかった』
運送業でのつらいことは、拘束時間があまりに長かったということです。
朝5時から夜の10時くらいまで、ひどい時には、明け方まで拘束されましたので、かなりきつかったです。
このまま続けていれば大事故を起こしてしまうというリスクをいつも抱えていました。
またその懸念をいつも抱いていたせいか、昼休みに仮眠を数十分していると、うっかり寝てしまったと、ハッと飛び起きることも少なくありません。
運転中の居眠りと勘違いをしたのであり、そんなことがよくありました。
とはいえ、人間関係のストレスは、ほとんどといっていいほどありませんでした。
もちろん会社の中には、嫌みな人、付き合いにくい人がいないわけではありませんが、基本運送業というのは、一人で運転することがほとんどなので、朝と夜の顔を合わすだけです。
またこの会社は、皆が時間帯が違うということもあり、朝顔を合わすこともないし、夜もだれもいないということがほとんどでした。
そうした面で、煩わしさがないし、人間関係でストレスを感じるというのは、わずかでしたのでそれは良かったと思っています。
ただ、上司からは休みをほとんどもらえず、働きっぱなしという感じだったので、プライベートもなにもないというのがつらかったです。
『転職のきっかけになったこと』
転職にきっかけになったことは、このまま続けると体力がもたないこと、居眠りなどの事故を起こして一生を棒に振るかもしれないという危険を感じたこと、そして結婚をすることになったことです。
このような仕事を続けていれば、絶対に後悔するだろう、このままではいけない、もう少し気持ちに余裕のできる仕事をしなければならない、そして家庭を崩壊させるわけにもいかないということで転職を決断しました。
幸い友人に相談したところ、職場で募集をしているという話をいただき、仕事を紹介してもらうことができたので、ついに運送業という過酷な仕事から解放されました。
もちろん収入は大きく減ることになり、生活そのものは出費も増えて大変になりましたが、朝は8時出発、夜は6時には自宅に帰ることができるようになったので、精神的なゆとりを持てるようになり、今は以前よりもずーっと幸せで充実していると感じることができています。