美容・理容・サロンの体験談

管理者が精神的にまいって辞めて行く職場

投稿日:2023年10月23日 更新日:

・アルバイト時代は楽しかったのに

20代半ばで「手に職をつけたい」とリラクゼーションサロンへ入店し、何も分からない新人の間は、同年代のスタッフばかりで、楽しくお客様へ施術していました。

半年が経って店長が退職、その次の店長もしばらくして退職、1年ちょっとで私は副店長を任され、店長をしていた先輩はやってはいけない事をしていた事が本部にばれて、自主的に退職をしてしまい、私が繰り上がり、店長になりました。

その時はまだ、アルバイトだった為、スタッフのシフト確保や会議に出る程度で良いという事で、エリアマネージャーがお店の方針を決めていました。

そのエリアマネージャーもしばらくしてから異動になってしまい、私がエリアマネージャーとして正社員登用されました。

そこから、以前のエリアマネージャーが会社の愚痴をこぼしていた理由が分かり始めました。

 

・サービス残業当たり前

当時の上司は、とても行動力もあり頭の切れる人でしたが、出来るのが当たり前の感覚なので、私達が出来ない事がいまいち分からず、男であろうが女であろうが同じように罵倒するタイプで、人徳はありませんでした。

その上、本社の考えが従業員は駒、使い捨て、という風にしか見ていないような印象を受けてもおかしくないような所があり、いくら残業をしても「残業代も込みだから」と残業代は支払われない。

労基署が厳しくなってくると今度は、事務作業はタイムカードを切ってからするようにときつく言われたり、有給は基本的に認められず、体調不良で休む事があっても欠勤扱いとして給料が減る。

勤務時間外の電話対応は勿論、携帯電話の支給はなく自前の物でスタッフからの相談を受けるのも当たり前。

ちょうど地方への出店ラッシュも続いていて、準備や教育で社員は駆り出されるのですが、「新幹線代がもったいない」となるべく行く日を合わせて、後輩が何時間もかけて社用車を運転し、眠れないままそのまま作業に入る日々。

人手不足はどこでも同じなので、自分の管理店舗が、出張などで手薄になり、売上を落としてしまうと、それはそれで上司からの厳しい叱責。

上が厳しいと、自然と一緒に仕事をしているエリアマネージャー同士で絆が生まれるようで、同僚とは仲良く、愚痴を言い合って励まし、何とか支えあっていました。

 

・均衡が崩れる

同僚の1人がある日体調を崩してしまい、戻ってはきたものの、明らかにストレスを抱えていると分かる、顔面神経痛を発症していました。

その症状は、上司の前に出るとひどくなっていたのですが、当の上司は自分の前にいる状態が(他の人に対しても)同じ状態だと思い、さすがに仕事量を減らし、出来る事をさせていましたが、程なくして事業部を去る事に。

そこから、その人が請け負っていた仕事を「少しの間だけ」と割り振られていた分をそれぞれのエリアマネージャーが引き継がなくてはなりました。

社会保障など出来るだけ支払いたくない会社としては、正社員はなるべく増やしたくない、という考えから、人員の補充はしてくれません。

「まずは今いる人達でやってみて」という方針でした。

ひときわ、上司のあたりの強かった同僚がいて、ずっと「何とか頑張ろう」と言い合ってきていましたが、色々なストレスを抱えて限界を迎えてしまい、ある日その上司に面と向かって溜め込んだ思いをぶちまけて、辞めてしまいました。

 

・上司の失職

上司からしてみると、自分は前職で同じように教育をされていたようで、そんなにも嫌われていたと思いもしなかった様子で、随分気を落とされ、そこから私達に色々と気を遣うようになって、罵倒をされたりする事はなくなったのですが、会社のお金を横領している疑惑が囁かれて、ひっそりといなくなりました。

その後は新しい上司が来て、業界の低迷もあり、閉店する場所も出てきた為、物理的に管理店舗の減少から、エリアマネージャーらしい仕事が少し出来るようになってきました。

追い打ちをかけるように、勤怠管理・有給の見直しが入りました。

かれこれ10年勤めましたが、やっと働きやすくなったと感じます。

同じ辛さを分かってくれる人が傍にいたおかげで、精神的な辛さも乗り越えられたと思っています。

 

・思わぬ転職

相変わらず、仕事量は多い日々でしたが、スタッフ育成という事にも力を入れ始めてくれ、それぞれキャパは超えない程度の忙しさに落ち着いていました。

給料は増えた訳ではないので、何となく転職しようかと考えていた時に、身内の仕事を手伝わなければならなくなり、退職をする事になりました。

それまでとは全く違う小売の仕事です。

身内という、今まで以上にワンマンで、こき使われ、更に給与体系もきちんとしていないブラック企業です。

それでも、強制的に色々な仕事を振られ、こなさなくてはならなかった経験が役に立ち、今の仕事で役に立っている実感を得られています。

パワハラとも取られかねない、厳しい上司の元で仕事をしていた事で、精神的にも強くなりました。

「この人と合わないな、何となく好きじゃないな」と感じる人に対しても、笑顔でいられたり、相手を気遣える人だと、厳しい上司でも目をかけてくれる為、そういう事を意識するとどこでも上手くやっていけるように感じます。

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