医療・介護・福祉・看護の体験談

私が難病病棟で看護師として働いた体験談

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・難病病棟はきつい

私が一年目に配属されたのは人工呼吸器をつけた方がたくさんおられる難病病棟でした。

その方々に加え、パーキンソン病や多系統萎縮症などをかかえた患者さんもおられました。

人工呼吸器がないと極論、亡くなってしまう方を目の前にして責任感がのし掛かりました。

その分、手技や技術の勉強は頑張りました。

何がキツかったというと大きく分けて2つあります。

一つ目は患者さんの暴言です。

特にALSの患者さんは理性をコントロールするのが難しくなる傾向があり、急に怒ったり急に泣いたりする方がたくさんいました。

自分では身体を動かせないため、ものを置く位置にもこだわりを持っておられる方がたくさんでした。

例えばものを置く位置を数センチ間違えるだけで激怒されることもありました。

確かにものの位置が数センチずれただけで、ものに手が届かなくなることがあることはわかりますが、急に激怒されるとこちらも精神的に参ります。

二つ目は病院では対応できない要求をされることでした。

私が一番困ったのは食べる機能はないのに「食べたい」という方です。

食べる機能が落ち、食べるのが難しくなると食事の形態を変えて食べることをサポートするのですが、その患者さんはミキサー食も正直難しいのに病院側との約束を破り在宅で刺身を食べて窒息しかけるような方でした。

食べたいという気持ちに答えようととろみのついたお茶を提案したり、一日に一度STさんと看護師がついてゼリーを食べることでできる限りの支援はしたのですが、とろみのついたお茶は嫌だ、ゼリーじゃなくてご飯がいいとこちらから提案することをすべて跳ね返されてしまいました。

ジレンマです。

どの病棟にもある事かもしれないですが、気持ちに答えたくても答えられないと精神的に参ります。

 

・難病病棟で良かったこと

良かったことは看護技術が一通りは学べたことです。

特に人工呼吸器については自信がつきました。

あと、パーキンソン病でリハビリで来られる方が入院してすぐはなかなか動くのが難しかったのが、リハビリの頑張りで歩けるようになっていたり、自分でご飯を食べておられたりする姿をみるとやりがいを感じました。

また機能がどんどん落ちていく難病は患者さんも精神的に辛くなるものです。

家族さんも辛くなってしまいます。

そんなときに私が話を聴き「あなたに聴いてもらえて少し元気になった」「たくさん話を聴いてくれてありがとう」と言われると看護師として自信がつきました。

 

・転職のきっかけ

転職したきっかけは職場で頑張りすぎてうつ病を発症したからです。

自分はまだ足りないと追い込みすぎました。

 

・転職先では

転職してからはデイサービスで働いています。

病院とは違って決まった時間に出勤し決まった時間に帰れるのは体調が不安定な私にとってはとてもありがたかったです。

大変だったのは、その事業所でのやり方を覚えることでした。

少しでも違うことをすると注意を受けるので注意を受ける度に覚えるしかなったです。

また転職先でも特に家族さんのこだわりが強い方がたくさんデイサービスを利用されるので、難病病棟で鍛えたメンタルが少しは役に立ちました。

特に急性期から転職される方は家族さんのこだわりにびっくりされて、ついていけずやめる方もおられたのですが、私は免疫があったので「まぁ、そんなものだよね」とすんなり受け入れられました。

 

・転職して悪かったこと

これは一択です。

給料がかなり下がりました。

4~5万下がりましたが、自分の体調を整えながらやっていくにはお金のことは仕方ないなと割りきってやっていくしかありませんでした。

自分にとって何が大切なのか見極めて転職活動はした方がいいと思います。

お金が大切なら今のところでもう少し頑張るのもいいかもしれないですし、お金はいいから!と思うのであればゆったり働けるところを探してもいいと思います。

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