販売の体験談

大手靴販売店での業務体験談とメリット、デメリット

投稿日:2021年11月16日 更新日:

かつて日本の大手靴販売の業界で業務をしたことがあります。

仕事内容は主に接客と靴の販売ですが、店舗での業務になりますため、レジ打ち、靴の陳列作業、在庫の管理なども行います。

この会社に入社したのは22歳の頃で、初めは契約社員という形で入社し、後に正社員になりました。

右も左も分からない状況から、販売員になるまでの体験談を書いていきたいと思います。

1)入社初日に売り場に立たされて、販売業務を任される

初出社の日、軽く売り場の説明と商品の説明を受けて、販売を任されるようになります。

これは正直かなり度胸が必要です。

理由として、この会社では積極的にお客様に声をかけていくということが教育されます。

ですので人見知りの性格で、これまで販売や接客業務をしてこなかった人が行うとなると、かなりの緊張と恐怖が伴います。

例えば、自分が服を買いに行った先の店で店員から「ご試着いかがです?」と尋ねられて、軽くあしらった経験はないでしょうか?

もし自分がそのあしらわれる側になると思うと、なかなか声をかけるという一歩を踏み出すのは難しいのです。

出社初日の販売結果を言いますと、販売できたのは一点のみでした。

初めて声をかけたお客様はとても購入意欲が高く、すんなりお会計に進んだことはとても運がよく、今後の販売生活を考えるとまずまずの一歩であったのは間違いありません。

 

2)販売の店舗のノルマ、個人のノルマが存在する

この会社は、店舗の規模、立地、日にちによって店舗の売り上げノルマが決められています。

また、リアルタイムで全国の売り上げ状況、個人の売り上げ状況まで確認をすることができます。

このことから、売り上げが伸びない店舗にはエリアマネージャーから店舗に連絡が入り、そこから売り場にいる販売員に売り上げ不振な点を伝えられプレッシャーをかけるということがありました。

販売意識が高まる点は良いかもしれませんが、お客様への声掛けが増えたり、また来客のある店舗では接客の質が下がることもあります。

その結果、しつこい接客を嫌うお客様を逃したり、雑な接客によってクレームが発生する原因が生まれます。

売り上げをかなり重要視する会社でありましたので、特にを任される店長などの負担はかなり大きかったように思います。

また、売り上げノルマをあと少しで達成できず、閉店の時間を迎えるということも頻繁に起こります。

どうしてもノルマを達成したいがために、社員が社員割引を使って自ら購入するということもありました。

人によっては、このようなタイミングに合わせて欲しかった商品を自ら買い、ノルマ達成に貢献しようという人もいるかもしれませんが、実際には売り上げを重視する社風のプレッシャーに負けて、仕方なく購入する人もいました。

実際に私も経験しています。

 

3)販売職について良かった点、悪かった点

『良かった点』

この靴販売業界ではお客様へのお声かけと接客を重視していたことから、お客様との距離感が分かるようになりました。

私の考える距離感とは、お客様が来店した様子、探している商品、ファッション、年代、雰囲気などをチェックして、その人に合った声掛けをしていくというものです。

そんなたくさんの要素を見るの?と驚くかもしれませんが、毎日売り場に立っていれば、もちろん冷たいお客様もいますし、逆に話したがりの方もいます。

人を見極める力は、日に日に養われるのは間違いありません。

また自分が販売職に就いているからこそ、自分がお客様になった時に声をかけてくる販売員の気持ちも分かります。

どちらの立場にもなれるからこそ気を遣うことができ、必然的にコミュニケーション力が上がっていきます。

 

『悪かった点』

今思えばブラック企業であったことは間違いないと思います。

その理由として、土日祝日は非常に休みにくいが挙げられます。

シフトは基本土日祝日は必ず出勤で、休みたい日のみを予め伝えておくというものです。

土日祝日が休めない理由は、休日の方が来客があるため売り上げも伸びる傾向にあり、そのために販売員を最大限に用意するという考えであったと記憶しています。

大型連休に関しては、店舗に勤務する販売員以外に、本部からも応援の販売要員として派遣されることもありました。

もし土日祝日に休みを入れたい場合は、2ヶ月ほど前に正当な理由をつけて希望を出す必要があります。

例えば友人の結婚式などです。

ただの遊びで休むというのは恐らく認められませんし、そもそも土日祝日出勤は暗黙の了解なので、遊びという理由で希望する人はまずいませんでした。

 

4)大型店と小型店での業務の違い

私はかつて大型店と小型店で業務をしました。

大型店は客数を多く見込める店舗になるため、社員の販売員も多く在籍しています。

一方小型店はその逆になるため社員の販売員が二人のみということもあります。

社員人数が少ないという点で起こる弊害と言うのが、まず休憩をゆっくり取ることができないことです。

何かあった場合にアルバイトでは対処しきれないことがあるため、店舗のバックヤードで急いで食事をしたということもありました。

また販売以外のデスク業務も少人数で行う必要があります。

人数がいないため、割り振りも難しいのです。

そして、突発休もなかなか取りにくい点もデメリットとして挙げられます。

以上が、私が靴販売店で業務した経験になります。

一度その会社に入ってしまうと、普通でないことも普通になってしまったり、気づかないところで社風に流されていたりと言うことが多々ありました。

今考えればブラック企業だったと分かりますが、実際に中にいるとそれすら気づかないことがあるのです。

 

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