職業名 事務職(一般職で入社し、その後総合職への転換)
雇用形態 正社員
勤続年数 6年
入社時の年収(ボーナス、インセンティブ含む) 約320万
退職前の年収(ボーナス、インセンティブ含む) 約460万
性別 女性
・入社当時
私が当時働いていた企業は、契約社員を含めると4000名超の従業員が働く大企業。
短大を卒業し、新卒で入社。
周りの友達に比べると給料も高く、人からも羨ましがられる企業だった。
就職活動の時に人事部の方たちの雰囲気の良さからこの企業を選び、特にここの会社で何がやりたいとか、こんな風に働きたいという願望は特になかった。
配属先は、お金を扱う部門の一般事務。
歳の離れた先輩が多く、恐る恐る過ごす毎日だった。
仕事を覚えるのにも精いっぱい。
意地悪な先輩が一人いて心が折れそうになったこともある。
でも、色々な人がいるのは仕方ないと淡々と自分の仕事をこなした。
・仕事にも慣れて‥後輩もできた2年目以降
毎日忙しく残業の多い職場だった。
毎日定時に帰れることはなく、遅いと22時近くまで仕事。
でも、職場のメンバーにも変化があり、多少のストレスは抱えつつ、忙しくても楽しく仕事をすることができた。
大企業なだけあって有給は取りやすく、繁忙期が過ぎると休みをとって旅行するのが楽しみだった。
2年目以降は後輩ができ、仕事を教えることも増えてきた。
入社当時に意地悪な先輩がいて嫌な思いをした経験もあり、仕事に関しては厳しく、でもそれ以外では優しい先輩でいたいと後輩とも仲良く過ごした。
先輩、後輩ともに仲間に恵まれていたと思う。
ただ、なかにはかなり適当な仕事ぶりの先輩がいたのも事実。
先輩のやるべき仕事を全て自分が請け負い、残業の日々。
上司から評価してもらい、ボーナスなどの査定もかなり良くしてもらった。
けれど、他の人の仕事で自分のプライベートが削られていくことがストレスだった。
・退職前の数年
数年間付き合っていた彼と婚約し、結婚の予定ができた為、上司に退職を考えていると報告した。
残業が多かったこともあり、転職を考えていた。
その直後、部署内でグループ異動があった。
この異動を機にそれまで以上に忙しい日々、仕事に忙殺される毎日となった。
会社内での仕事に加え、他社との打ち合わせのため外出、他支社への出張など、どんどんと仕事が増えていった。
異動前の部長が、今後についてもう一度再考するようにと、異動先の部長に退職の意思があることを伝えなかったことが原因だ。
忙しく仕事が入れば、キャリアアップを考えるようにと思ったらしい。
その他にも異動先の別の上司には、しつこく関係を迫られ、個人的に連絡が来るようになった。
何かと出張には帯同するよう言われ、一緒に打ち合わせに出かけることも多くなった。
仕事の忙しさ、上司からのセクハラ、また以前のように休みを取ることもほぼできなくなった。
土日に出勤することも増え、残業も多く、日が変わってから会社を出ることも。
終電もなく、タクシーで家に帰る日々。
睡眠時間を取れなくなり、だんだんと食欲も落ちていった。
そしてある日、通勤途中に倒れた。
その日のうちに入院。
心も体もボロボロだった。
退院後も心療内科にかかり、担当の先生からは迷わず職場を変えるべきだとアドバイスをもらった。
ただ、上司には恵まれなかったものの、同僚たちはみんな大好きだった。
厳しくも優しい先輩、何でも話せる同期、友達のように仲良くなった後輩。
みんなのことを考えると辞める選択に迷いが出た。
・退職を決意
退職を迷った。
この会社を退職したら、もう同じような企業には入れないかもしれないという恐怖もあった。
給料、同僚、福利厚生、どれをとっても最高に条件の良い職場だった。
でも、結婚してこの仕事を続けながら家事、出産、子育てと両立はできないだろうと踏ん切りをつけた。
そして、人事部に退職の意思を連絡した。
すると、そこで返ってきた言葉に驚愕した。
「個人の都合による退職ですね」と。
明らかに働かせすぎによる過労が原因で入院までしている従業員に対し、今までなかったことにされていた結婚を退職の理由にされた。
今思い出しても腹が立つ。
こんなブラックな会社に居続けなくてよかったと今も思っている。
ただ、大企業ということ、給料がいいということ、人に羨ましがられる会社ということ、そんな見栄えばかりを気にした選択をした自分に後悔している。
仕事は楽しく、やりがいを感じられ、何よりも自分を大切にできる職場を選びたいと思った。