「幼い私が見ていた保育士さん」
自分自身が保育園に通っていたころ、可愛くて優しい先生が殆どだと思っていました。
まだ幼かった私にとっては、可愛くて優しい先生たちの働く姿がキラキラ輝いて見えていました。
将来自分もこの仕事をしたい。
憧れる気持ちを持ち、数年後、夢を叶えることになるのですが…
「保育士になってはみたものの」
正直、実習中からもうきつかったです。
仕事自体がきついのではないんです。
勿論保育士は体力がいるし、子供たちから片時も目を離すことは出来ず、精神的にもかなり疲れます。
ですが私は先輩保育士との時間、指導していただけることはありがたく思っていますが、一緒にいる時間そのものが辛かったです。
私には理想の保育士像がありました。
しかし、幼いころ自分が見て憧れていた、優しくて可愛いかった保育士さんなんて実はいなかったのかもしれない、あの保育士さん達も実は影では悩んでいたのかも…
もしくは実は私が思っていたイメージとは完全に違うものだったのかも。
なんて思うほどでした。
とにかく指導の仕方はキツイ。の一言です。
社会はそんなに甘いものではないのもわかります。
でも辛かった。
ミスをしたり、トロかったりすると、先輩保育士達が陰でコソコソ…いや、堂々と私の悪口を言うのです。
その園は、毎年5人ほど採用されても、1年後残っているのは1人ということでした。
そりゃそうだよな、と実習中の私は現実を知ったのでした。
「保育士として癒されたこと・良かった点」
保育士は実際キラキラしたモノでもないと実習で知ることができて、半ば諦め少し精神的にも強くなり、その後実際に働き出しても、やはり辛かったです。
しかし、そんな中でも癒されたのはやはり子供たちです。
・先生が一番大好き
・先生可愛い
・先生と将来結婚する
これらのワードは私の嬉しかったTOP3です。
あと、子供たちが家でお手紙を書いてきてくれたり…。
子供は本当にピュアで可愛く、愛しい存在でした。
また、保護者の方から 『うちの子は〇〇先生のことが一番好きなんですよ』なんて言ってもらえるのも、涙が出るほど嬉しかったです。
「保育士の待遇面」
私の働いていた園の待遇は決して悪くは無かったと思います。
ボーナスも多くはありませんがきちんと頂けたし、先輩保育士はここでもやはりキツい方が多く、それは変わらずストレスではありましたが、幸い同期達は皆仲が良かったので、毎年の社員旅行もとても楽しめました。
毎年の社員旅行は海外だったのですが、私の周りでは海外に社員旅行に行ってる保育士はいなかったので、珍しいほうなのかと思っていますが、都会ではもしかして当たり前なんでしょうか…。
ここは田舎なので…。
田舎で毎日一生懸命働いていた私にとって、年1の大きな楽しみでした。
あと、必ず3時のおやつタイムがありました。
時間は3時ときっちり決まってはいないのですが、保育士達が順番におやつタイムをとります。
そんな時間は、いつも怖い先輩とも少しはリラックスしてお喋りすることができたような気がします。
「保護者とのトラブル」
切っても切れないのが保護者とのトラブルです。
子供に怪我をさせてしまった時が一番大変です。
これはわかります。
こちらもとても心苦しいです。
大切な子供に怪我をさせてしまったと、自己嫌悪に陥ります。
園児本人にもとても申し訳なく思います。
これとは反対に、理不尽なクレームを受けることもありました。
一番びっくりしたのが、遠足などのイベントで園児達のスナップ写真を撮り、後で販売するのですが…。
わが子が全然写っていない・写っている写真が少ない。というクレームです。
これにはびっくりしました。
決して珍しいことではなく、なんと毎年こんな親がいるのです。
「保育士に向いている人」
保育士だけでなく、看護師・介護士等にも共通すると勝手に思っているのですが、こういった仕事に向いている人は、
【優しすぎない人】
だと思います。
繊細過ぎてもダメですね。
保育士は大多数が女性、女の園に飛び込んでいくのです。
なかなか女性は一筋縄ではいきません。
保護者との対応・トラブル処理もかなりキツイものです。
大きな声で怒鳴られるなんてしょっちゅうです。
いちいち気にしていたら精神が持ちません。
これもまた、保護者も母親が対応してくることが多いので、女、女の闘いなのです。
あとは子育て経験のある方も、保育士に向いているかもしれません。
やはり一度経験しているというのは、強いです。
「総合的に保育士は…」
私は保育士として、辛いことも楽しいことも両方経験し、ボーナスも有給休暇もきちんと頂けるという待遇の中働いていましたが、総合的には…
大変さの割にはお給料は見合わないと思います。
保育士という仕事は、お金の面だけを考えるとやはり低すぎると思います。
お金というよりも、やりがいを求めることができる人には向いているし、耐えられると思います。
私は子供が好きですが、子供が好きという気持ちのみでは耐えられず、結婚・出産を機に退職してしまいました。
ですが自分の子供を育ててみると、保護者側の気持ちもわかるようになったし、いつか子育てが落ち着いたら復職するのもいいかも。なんて思いも芽生えました。
今後は保育士の賃金も、少しは上がってくれたらいいなと思っています。