学校・保育・教育の体験談

英語はコミュニケーションツールとして学ぶ

投稿日:2021年9月14日 更新日:

◆英語学習

近年、英語4技能を判定するがさまざまな資格が高校や大学の受験に採用されるようになり、リーディング・ライティングだけではなく、ヒアリング・スピーキングが要求されるようになりました。

英語の授業を通して感じることは、生徒たちの多くは、まだペーパー上での、つまり、リーディングとライティング、グラマーの部分に重きを置いて学習してしまっているのが現状です。

 

◆コミュニケーション

英語は教科ではありますが、そもそもコミュニケーションツールです。

人と会話をする、人の考えを知る、人と関わる。

そのために必要な言語です。

その意識が希薄なまま、英語学習をしていくと、ヒアリングやスピーキングの技能がある程度のところから伸びていきません。

 

◆「I」(アイ=私)が大切

日頃から英語の授業で、I think, I guess, I agreeというように、自分はこう思うという主張をするように子供たちに指導しています。

日本人はほかの国の人々から見ると、あまり自己主張をしない人種と思われています。

これは聞き上手という誉め言葉でもありますが、グローバル社会においては、自己主張をすることこそが他社との関りを深めていくことに繋がります。

特に、子供たちは手をあげて間違うことを嫌っていますが、間違うことこそが成長に繋がることを理解してもらうような授業展開をしています。

英語の授業では、もちろん正解を導くことは大事です。

しかし、間違うことへの恐れをなくすよう、さまざまな取り組みをしています。

そのひとつが、「I」(アイ=私)で発言すること、です。

私はこう思う、私はこう考える、そういった発言をした子供に対して、たとえ間違っていても必ず褒めることを実践しています。

◆ヒアリングとリーディングは完璧性を求めない

子供たちからよく質問されるのが、聞き取れなかったことに対して「今言ったことをもう一度言ってください」長文の中でわからないセンテンスについて「訳を教えてください」です。

このとき一言一句違いのないものを求めてくる子供が多いです。

テストであれば必要かもしれませんが、そもそも日本語でも、会話や本の中で、ちょっと聞き取れなかったこと、ちょっと意味の分かりずらかった内容を、「もう一度一言一句たがわずに教えてください」とは言いませんし、もしそう言われても、一言一句同じことをもう一度言うのはちょっと難しいことです。

つまり、英語がわからないという子供たちの中の大半は、ひとつでもわからないことがあると不安になってしまい、それが英語が苦手、に繋がってしまっているのです。

ヒアリングやリーディングには、会話や文章における「流れ」があります。

流れをつかんでいるかどうかを重視するように指導しています。

 

◆身近な英語

年配教師世代に比べると、今の子供たちは英単語の中に暮らしているといっても過言ではありません。

身近なカタカナ語の多くは英単語であること、そして子供たち自身がカタカナ語を使っていて、それは実は英単語であることを気づかせるようにしています。

新しい単語を学んだ際には、その単語を使って自分が使いそうなセンテンスを作る、という作業も取り入れています。

ある子供のノートを見ると、ほとんどゲームに関するセンテンスばかりでしたが、新しい単語をうまくセンテンスに入れていたので驚きました。

「最近海外のゲームもできるようになりました」と自慢げに話してくれ、そういったところから苦手を克服している子もいます。

きっかけはなんでもいいのです。

身近なこと、好きなことを英語に関連付け、英語は知っていたら得なんだな、と思っていくことが、自然と学びに繋がっていくのです。

 

◆ご家庭の協力

ご家庭からは、学校での英語のテストの点数、外部英語資格への挑戦など、実際に得点化された英語の評価を切望される方が多いです。

もちろん受験を考えると数値化された得点が必要です。

ですが、まず、やみくもに英単語や英熟語の本を買い与えたり、過去問をやらせたり、というよりは、まず英語を好きになるような試みをご家庭でも取り組んでいただきたいです。

やらされる学習、より、やりたい学習、の方が、習得度が高いからです。

お子さんに英語を身につけさせたいご家庭の多くは、外部で英語塾へ通学させているようです、もちろん英語に触れる時間が多ければ多いほど身に付きます。

そこに、子供自身が英語が好きという気持ちがあることが、英語習得度に大きく貢献することをご理解いただき、いかに英語を好きになってくれるか、その環境づくりをお願いしたいです。

 

◆英語を話す

一番てっとり早いのは、とにかく英語で会話をすることです。

子供たちには常に英語で会話しています。

授業の中では、わからない子供たちのために日本語を交える場合もありますが、基本的には日本語で話しかけられても英語で答えています。

身振り手振りをつけると、子供たちは私が話す英語の中からわかる英単語を聞き取って、理解してくれます。

知っている単語を列挙して、言いたいことをがんばって伝えようとしてくれる子供が増えてきました。

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