『教員ってどんな仕事?』
教員。
学校では、「●●先生!!」と呼んだり呼ばれたりしている人たちのことです。
免許状や人物紹介の場面などでは、「教諭」と表現されます。
中学や高校の教諭の場合は、「英語」や「国語」など、科目ごとに教員免許が交付され、自分が持っている教員免許の学校種・科目だけ、学校で教えることができます。
小学校の場合、原則、担任の先生が自分のクラスの全科目を教えますが、高学年になり、学習内容がより専門的になってくると、その限りではありません。
教員は、自分の担当科目の授業をするほか、担任を持っている場合には自分のクラスのホームルーム活動も行います。
そのほか、生活指導や進路指導、保護者を含む三者面談、部活動の指導等も行います。
生徒への指導だけでなく、教育実習生を受け入れた場合には、実習生の指導もします。
『教員になるには』
大学の教職課程で必要な科目を履修し、「教員免許状」の交付を受けます。
そして、都道府県や学校が実施する採用試験を受け、合格すると教員として働くことができます。
公立の学校の教員になるには、都道府県が実施する、教員採用試験を受けて合格する必要があります。
教員採用試験は原則毎年行われますが、年度によって各科目の教諭の募集人数が変動します。
教員採用試験に合格すると、一般企業でいうところの正社員のような立ち位置で働くことができます。
教員採用試験に合格できなくても、別途試験や面接(面談)を受ければ非常勤講師や産休代替教員として働くこともできます。
私立の学校の教員になるには、それぞれの学校が実施する採用試験を受けて合格する必要があります。
また、都道府県ごとに毎年実施される「私学教員適性検査」という試験を受け、その結果が良いと、私立の学校の採用担当側から「オファー」をいただくこともできます。
ただし、公立の学校と違い、それぞれ学校が実施する採用試験は、毎年必ずあるとは限りません。
例えば、「今年はA高校の英語の先生の募集があるから、来年、大学を卒業したら受けよう」と思って今年の採用試験を見送ったとして、来年になってみたら、A高校の英語の先生の募集がない、ということがあり得るのです。
また、来年も募集があったとしても、その時には非常勤職員の募集しかない場合や、「経験者を求める求人で、新卒は募集対象ではない」といった募集内容の場合もあります。
公立・私立とも、新卒の場合は大学4年生の頃に、「教員免許状取得見込み」で採用試験を受けます。
既卒の場合は、都道府県や学校が設定している年齢制限等を確認したうえで採用試験を受けます。
『教員って楽しい!』
私は高校で英語を教えていました。
生徒たちと毎日ふれあい、自分の得意科目である英語の授業をする生活。
下は16歳の高校生から上は70代くらいの先生まで。
一緒に働く先生たちも、新卒の頃から教員一筋という人もいれば、一般企業で働いてから教員に転職した人、中には青年海外協力隊として海外で活躍した経歴のある人まで…。
年齢層も経験も、すべてが幅広く、教員として生徒に教えながら、自身も周りの人からたくさんのことを学べます。
生徒たちとのおふざけから、教員同士でのいたってまじめで専門的な会話まで…。
全てが新鮮で、刺激的で、とても楽しい日々を送っていました。
子どもが好きな人、人と関わるのが好きな人、学び続けるのが好きな人、教えることが好きな人、そういう人たちなら、教員生活は楽しめると思います。
『「楽しい」だけじゃやってられないな…。教員だって人間よ…。』
「やりがい搾取」や「思いやり搾取」という言葉が生まれ、世間に出回っている現代。
教員の仕事は、もろに、「やりがい搾取」や「思いやり搾取」で成り立っています。
勤務時間内は、とにかく授業、生徒指導、生徒と遊んで話して走り回って、他の先生との打ち合わせや相談に明け暮れます…。
一般企業でいうところの「定時」を過ぎた頃になってようやく、その日に集めた小テストや課題のチェックができるのです。
そうはいっても遅い時間まで学校にいるわけにはいかないので、やりきれなかった仕事と翌日以降の授業の準備は家に持ち帰ります。
休日はやりきれなかった仕事を片付けたり、教材研究に没頭するのに最適です。
「教員」という仕事がいくらやりたい仕事で、好きな仕事だと言っても…。
毎日、24時間、365日、寝ているとき以外は仕事をしています、という状況でした。
趣味の活動にあてられる時間はほとんどなく…「好き」というだけではやっていけない仕事だな、と痛感しました。
現役で教員をやってる皆さん…ほんとうにすごいです。
『教員、辞めようか…。転職と結婚。人生の転換期!!』
20代の後半。
そろそろ浮かんでくる、「結婚」の2文字と、今の生活を続けていたらそれは難しいよなという現実。
そこで、教員を辞めることを決意しました。
働きながら転職活動をするというハードワークをこなし、教員を辞めて、一般企業の事務職へ転職しました。
給料はなんと!大幅アップ!
定時で帰れて、持ち帰る仕事もなく、土日はしっかり休める。
そのうえお給料アップは嬉しい誤算でした。
その後、転職先で知り合った人と結婚し、もうすぐ主婦になる予定…。
ただ、待遇は、前職の私立の高校の教員のほうが良かったかな…というところだけが心残りです。
『教員から一般企業へ。「先生」は会社でも働ける??」
教員は思っている以上にPC業務をするので、Word・Excel・PowerPointといった基本ソフトは一通り使える状態で転職できる場合が多いです。
また、教員は、「学ぶことのプロ」であり、「聞くことのプロ」であり、そして「教えることのプロ」です。
畑違いの企業でも、「よく聞き、よく学ぶ」ことができるので、仕事の覚えは早いです。
そして、後輩に仕事を教える立場になると、一気にその能力を開花します。
教員は、一般企業でも普通に働くことができます。(偉そうな態度を取らなければ)
『まとめ 私は教員を辞めて良かった、けれど、やっぱり教員は素敵な仕事』
転職後は、持ち帰る仕事もなく、平日しっかり働いて、ほぼ毎日定時で帰宅。
休日は趣味と家事にすべての時間を費やすことができる。
教員を辞めて、とても充実した生活になりました。
何より、教員を辞めたら、時間も体も心もラクになりました。
私は教員を辞めて良かったな、と思う場面が多いです。
ただ時々、教壇に立って教えたり、生徒と一緒になって一生懸命考えたり、という時間が恋しくもあります。
いろいろな世代の人と常に関わり、話し、学べる、あの刺激的で充実した時間はかけがえのないものです。
もう少し年を取ったら、非常勤講師として、また学校に戻ってもいいかな、という気もします。
そういう気持ちになれたのも、一度教員を辞めて、ラクになったからこそなのかもしれません。
以上が私の体験談です。