昭和の経済成長期の頃の名残ではないかと思うのだが、一つの企業で長く勤め続ける、石の上にも3年とされ嫌な仕事でも続けるといったことが美徳だった固定観念が私にもありました。
【仕事はどんな場合でも続けられれば正しい訳ではない】
私は、社会人とされる年齢層にはいってから、就職出来ていた期間より離職していた期間が長くなっている状態にあります。
仕事を辞めるという行動をとったのは、社会人となって初めて就職をした会社での勤務が、あまりにもつらく心が折られるほどのものだったからです。
少し具体的に言うと、1日の労働時間は12時間くらいは当たり前、そして完全週休1日制で、勤務時間はひたすらたくさんの作業量をこなすために動き続け頭を働かせ続けという、とんでもなく就業環境の悪い所だったということです。
おまけに、時間外労働に対して賃金を支払わなくてよいという労働契約がなされていたと思われ、残業手当は1円も出ませんでした。
後々になって振り返ると、これはとんでもなく劣悪な企業のやる行いだったのだと思い知らされます。
つまり、何が言いたいかというと、この様な企業で私が受けてきた働き方をしてでも、働き続けることが正しいという人がいるのなら勘弁してほしいということです。
当時は仕事を辞めようと考えたのは、我慢に我慢を重ね耐え続けた結果、プツンと糸が切れる様にもうこの仕事は辞めようという考えが生まれ、それをそのまま行動に移して退職という流れに一気に傾きました。
我慢を重ねてしまったのは、やはり、石の上にも3年という固定観念があったからだと思います。
つらいから仕事を辞めてしまうのは、日本的な思考なのかはわかりませんが恥や悪というものが私にはありました。
我慢をし続けることでいずれは報われると思っていたということでもあります。
辞めてしまえば、我慢をする努力をやめてしまうことにもなり、今までの我慢が水泡に帰すような思いが出て来てしまう為、つらいだけの仕事場を離れるという決断がなかなかできなかったのだと思います。
おそらく私の親位の年代の人達にとっては、そういう状況下であっても働き続けることが正しいという考えを持つ人が多いのではないかと思います。
ですが、私はどんな状況にあっても働き続けることが正しいという思考回路を持つ人には、是非、その思考を改めていただきだいと思う様になりました。
もし、悪労働環境やつらいだけの仕事を続けるのが正しいというのなら自分たちだけでやって下さい。
その上で、それでもその様な状況下で働くのが当然だというのなら、そのまま何十年もそうやって働けばいいと思います。
決してそういう働き方を望まない人に強制しないで下さい。
それが出来るのであれば、私に何か決定的な間違いがあるということかもしれません。
【仕事を辞めた後の一つのリアル】
仕事を辞めた後に待っているのは、給料という収入が得られなくなるという現実や、社会的に無職という立場に置かれるという不安があります。
しかし、初めて社会人になってから離職期間を作ったときは、最初とても安堵します。
私の場合は、過酷勤務からの解放とつらい職場に行かなくてよいということがその要因になりました。
多分多くの人も似た様な思いを持つのではないかと思います。
特に年齢が若い内は、いつでもやり直しがきくという思いもあって、楽観的な見方をするのが普通ではないかとも思います。
ですが、数カ月も経つとすぐに不安要素の方を取り除きたいという考えになりました。
社会人という年齢であるのに無職であることで得られる自由感は、最初は強いですが時が長くなると今度は弱くなってもきます。
私の場合は、数か月後には転職活動を始めていました。
転職本のマニュアルなどを参考に書類を作成し、応募企業に渡し採用されるのを待ちます。
その時の転職結果はさんざんなものばかりでした。
そして、新しく就職が出来ずにいた期間は、時間を持て余すことになりました。
普通に就職していれば働いているのが通常の曜日・時間帯に、何にも拘束されず好き勝手に過ごすことができました。
とはいっても、現実にはしたいことなどその時点では具体的に思いつかず、車でフラフラ当てもなく出かけてみたりするのが関の山でした。
これが私が思う社会的に不安定な立場に置かれるということです。
そして、世の中お金が全てではないといわれ、私もその意見に賛成ですが、お金は現実にあって困るものではありません、給与という私にとってのメインの収入がなくなると、将来設計を考える際に不安が大きくなってしまいます。
その不安は焦りを生み、焦りは拙速な行動につながり、拙速行動のツケは結構後で効いてきてしまいます。
【まとめ】
仕事を辞めるという行動をとる人達の理由は様々あると思います。
私の様に、世間でブラック企業とされている働き方から逃れるためのこともあれば、ポジティブなもの、家庭の事情といったことも考えられます。
仕事を辞めるということは、たくさんのデメリットもありますが、我慢や無理は度を過ぎれば人生を壊します。
仕事を続けることが絶対正しいという考えを持つ必要はないとわたしは個人的に考えていて、そっちのほうがもっと気楽に生きていける気がするのです。
仕事を安易に辞めるのもありだと思いますが、あくまで自己責任にはなるということだけは忘れずにいたいと思います。