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出版社の闇。違法行為を強いられるブラック体験談

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ブラック企業って、どういう企業?

ブラック企業ってどういう企業をいうのでしょうか?

一般的には「労働者を酷使して劣悪な労働環境で働かせる企業」との意味で用いられているようです。

ブラック企業大賞って表彰もあるみたいですね。

選ばれた企業の皆様おめでとうございます(もちろん嘘)。

自分としては、いろいろな基準が考えられるのですが、「残業」「労働条件」「ハラスメント」「違法行為の強制」などが考えられます。

頑張って働きたいという気持ちが強い人、スキルを上げたい人、のし上がりたい人などは、激しく働いても(働かされても)大丈夫かも知れませんが、多くの人はそうではないと感じます。

また、そうした気持ちをブラック企業が利用して、労働者を搾取し、企業自体の異常性が修正されないままになるのかも知れません。

 

私が働いた企業のブラック度

私は、40代後半の男性で、現在、社会福祉法人の事務の仕事をしています。

大学を卒業し、「出版社で本を作りたい」と熱い気持ちをもって、首尾よく出版社に就職することができました。

まだ若かった(青かった)ので、「仕事を頑張りたい」「仕事のスキルを上げたい」と考えていたかも知れません。

おりしも、就職氷河期といわれた世代、出版業界も不況といわれていた時代でした。

入社の前年までは、業績も右肩上がりだったらしいのですが、入社して退職する間の約10年、ずっと右肩下がりでした。

業績の低迷も企業のブラック度に拍車をかけたのかも知れません。

にわとりが先か卵が先か、ではありませんが、ブラック企業が先か業績低迷が先かの関係だったのかも知れません。

さてさて、私が経験した某ブラック出版社はまず「残業代」という概念がありませんでした。

経営者側は、時間内に終わる業務しか任せていないとの言い分のようで、デフォルトで終電帰宅、忙しくなる徹夜と土日出勤対応で、とてもではないですが休息がとれません。

入社5年目に労働基準監督署の指導が入り、以後支払われるようになりましたが(とはいっても自宅でサビ残をする形になっただけですが)、過去2年分の残業代を会社に請求した同僚が、社内でも最も過酷な部署にすぐに異動させられたのを見て、大半の社員は未払い残業代を請求せずに終わりました。

「労働条件」は、割と明確であったかなと思います。

しかし、会社勤めの途中で、就業規則を労働者に不利益に変更することになり、労働者の過半の同意を取らなくてはいけないときに、同意しない社員を個別に会議室に詰めて、長時間面談するという所業を会社側がくりだしたため、事実上は経営陣が思うようにできたのだと思います。

「ハラスメント」は、結構あった印象です。

担当役員・部課長が一緒になって、セクハラ・パワハラを繰り出すため、課内の女子社員の半数が退職した年もありました。

個人的には、有給休暇申請用紙を、担当役員にビリビリに破られて、「有給休暇って、何事や!」と映画の敵役のように凄まれたことがあります。

結構ビビッてしまいました。

多分役員の気分が乗らなかっただけだと思うのですが。

私が一番困ったのは、違法行為の強制です。

近年でも、従業員に立木が枯れるほど除草剤をまかせるとか、添え手で契約書に印鑑を押させるとか、有名企業でも問題になっていますが、私の場合でもありました。

執筆者に支払う印税を発行部数をごまかして安く済ませるという手口です。

1件1件は少ない額ですが、トータルでは、十分詐欺といえる額かも知れません。

本当に心が痛かったです。

 

体調不良で睡眠障害

このようなブラック企業でも、心持一つで何とかなって勤務が継続出来ていました。

体調を崩して退職する人も多かったですが、「自分だけは大丈夫」と過信があったのかも知れません。

ブラック企業に肉体・精神両面で慣れてしまっていて、一種の洗脳状態にあったのかも知れません。

ですが、プツンと糸が切れるように、10年目にして睡眠障害になってしまいました。

 

退職・転職を見極める

睡眠障害になっても、お薬を飲みながら、勤務を続けてしまったのですが、この先を悲観して、焦って転職活動をはじめてしまいました。

景気もまだ良いわけではありませんし、応募した企業にも場当たり的な転職と思われていたかも知れません。

目だった成果はなく、今でも、もっと健康なうちに、将来のことをよく考えて、戦略的にキャリアの構築を考えればよかったと強く後悔しています。

結局、睡眠障害のさらなる悪化により、転職先が決まらないまま、ブラック企業を退職してしまいました。

 

ブラック企業退職後

ブラック企業退職後はしばらく静養した後、お世話になった取引先に拾っていただき、同じ業界に再就職できました。

仕事の厳しさは、前職と変わらないですが、風通しいい体質だったからか、トップが人格的にすぐれていたからか、ブラックさはあまり感じませんでした。

同じ業界でもここまで雰囲気が違うのかと驚きました。

現在は、違う仕事についているのですが、ブラック企業に長年勤め、視野が狭くなっていたのだと今では思ってしまいます。

 

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