職業名 コールセンター
雇用形態 正社員
勤続年数 10年
入社時の年収。(ボーナス、インセンティブ含む) 200万円
退職前の年収(ボーナス、インセンティブ含む)。 500万円
性別 男性
新規でできたコールセンター会社に就職したのですが、新規ゆえにノウハウもないまま、トントン拍子に出世する羽目に。
月に何度もクライアント先に出向いては会議や単価交渉等を、現場のクレーム対応等と兼任させられていました。
上司に文句を言うと「プレイングマネージャーって、カッコいいじゃん」等と笑って逃げる始末。
そのうち(新規事業の)立ち上げ屋等と変な呼称までつけられ、数ヶ月単位の長期出張で新規クライアントへ派遣され、分析やプレゼンを行うようになりました。
その間、クライアントのお偉いさんや、一緒に連れて行った部下のメンタルケアまで行うのですから、ほとんど寝る間もありません。
今で言うところの過労死ラインなど、とっくに超えていました。
しかし、この程度は、まだかわいい方だったのです。
ある時、また新規事業立ち上げのためにクライアントへ常駐していたところ、副社長から直々に電話が。
「突然だけど、お前、部長やれ」と。
部長職ともなりますと、完全に現場を離れ、損益管理等がメインになります。
しかしその時は常駐義務を行っており、後を任せられる部下も育っていませんでした。
「少し考える時間をください」
現実的な判断です。
ですが、その直後に今度は同僚から電話が
「お前、引き受けないと一発降格だぞ!」
「えぇ…」
同僚は会社から離れている私に代わり、情報収集してくれたのです。
もう断れませんでした。
観念して副社長に電話し承諾の旨を伝え、常駐先から自社へ帰りました。
帰社して業務についての打合せを経営陣と行います。
すると管理は今のクライアントだけではなく、計3社でした。
ノウハウのない業務を計3社。
溜息ものですが、やむを得ません。
引き受けました。
「よし、やるんだな?」
「はい」
「じゃあ早速だが、この部署が赤字になってる。どうするつもりだ?」
絶句です。
なにせ、今まで関わった事のない部署でしたので。
更に最悪だったのが、私が会社を離れている間に、幹部の派閥争いが起きていて、私は味方のいない副社長派に組み込まれていたのです。
従来からの数少ない先輩方は、アドバイスすらしてくれなくなりました。
そこからは孤軍奮闘です。
副社長に相談しても「良きにはからえ」でしたから。
過労死寸前まで働き、ついに鬱病を発症、休職を余儀なくされました。
1年程療養し、復帰しましたが、すでに自分の席はありませんでした。
平に降格され、いわゆる窓際職へ。
仕事がありません。
部署の上司にあたる私の後輩へ仕事が欲しいと嘆願しても、「ないです」で終わり。
そんな調子ですからまた体調を崩し、休みがちになりました。
そして年度末。
いきなり人事部長に呼び出され、今日付けで自主退職するか、懲戒解雇されるか、好きな方を選べ、と。
自主退職なら僅かながら退職金が出るので、やむなくそちらを選択し、かつての同僚や部下への挨拶もそこそこに、10年滅私奉公した会社を去ることになったのでした。
いま思い出しても、溜息が出ます。
それからは鬱病を抱えたまま、働いては体調を崩し、退職。
回復を待って、また別の会社へ、を繰り返しています。
いつしか年齢を重ねてしまい、正社員への道は閉ざされました。
幸い、コールセンターのノウハウだけは持っているので、お呼びがかかる事もありますが、派遣社員として、オペレーター業務だけです。
もう社内政治に巻き込まれるのも疲れたので、気楽なオペレーター業務でいいや、とも思いますが、如何せん年収が低い。
しかもそこから通院費を捻出しますので、生活は苦しいです。
あの時、降格されてでもキッパリ断っていれば、こんなことにはならなかったのかな?と考えてしまいます。
結局は降格され、壊れた身体と僅かな退職を持って追い出されたのですから。