プロフィール
職業名 コピーライター
雇用形態 正社員
勤続年数 4年
入社時の年収。(ボーナス、インセンティブ含む) 270万円
退職前の年収(ボーナス、インセンティブ含む)。 360万円
性別 女性
■就職活動で感じたイメージとのギャップ
就職氷河期でなかなか内定をもらえずに苦しんでいた私。
ようやく内定をもらえたのが、上場したてのベンチャー企業でした。
面接時にアテンドしてくれた人事の方が、すごく明るい笑顔で「私はあなたの味方です!頑張ってくださいね!」とガッツポーズで送り出してくれたことを、今でも覚えています。
無事に内定をもらって、内定者研修という名のアルバイトで初めてオフィス内に足を踏み入れて驚いたのは、面接時には明るい笑顔だった人事の方が、仏頂面で活気のない目つきをしていたこと。
「〇〇さん!」と内定者たちが駆け寄ったり挨拶したりしても、笑顔も見せてくれません。
面接では仮面をかぶって演技していたんだなと思いました。
でもこの会社では、行動規範として「タレントマインド」というものがあり、 TPOに合わせた振る舞いをすることが評価されます。
面接にて学生たちに明るい笑顔をするのは、タレントマインドに則ったことであり、会社ではきちんと評価されていました。
■上司によって、変なあだ名を付けられる
新卒で入社した後は、全員が営業研修を受けます。
それから各部署に配属されます。
私は制作部でした。
制作部ではクリエイティブを気取っているのか、各拠点の上司が変なあだ名を付けます。
とはいえ上司のタイプによるので、あだ名を付けられない拠点もありました。
実際に付けられていたあだ名は、「ぺぺ」「ビーバー」「坊主」「エイ」「ベンツ」など。
出っ歯、目が離れている、目が細くて丸顔といった外見の印象から付けられるあだ名がほとんどで、今ではハラスメントに値する風習でした。
また、上司が車好きで、好きな車の名前をあだ名に付けられる人もいました。
■上司のハラスメント
30代の上司が、20代の新卒に対して、「こんなことも知らんのか」と知識のなさをバカにすることもよくありました。
と言っても、仕事に直結する内容ではなく、プロ野球の球団の本拠地や主要選手、アクセサリーブランド、車のブランドなど、上司の趣味に関する知識のことで、仕事中にみんなの前でバカにされていました。
また、失敗100円貯金というものもありました。
誤字脱字をする、クライアントへの電話で噛んでしまうといった際に、100円を貯金箱に入れるというものです。
貯まったお金は、個人に還元されるのではなく、部署の飲み会で使われます。
身銭を切らなければミスは防げないという考え方でしたが、それで誤字脱字や電話対応などが改善された様子はありませんでした。
部下がストレスを感じて、マネージャーに相談して、その風土は無くなりました。
■目標達成至上主義で、会社にお泊まりも
営業会社なので、制作部でも数字の目標があります。
月ごとの数字を達成すれば、5000円のインセンティブが支給されます。
営業職にも数字の目標があり、営業メンバーが月の目標を達成しようとして月末に駆け込み受注をして、月初は疲れて受注が鈍るという悪循環が浸透していました。
制作部の仕事は営業が受注してから発生するので、自然と月末に仕事が立て込みます。
通常は3日の制作期間が必要な案件でも、月の目標を達成するには2日や1日といった短納期で仕上げねばいけません。
自宅に帰る時間も惜しくて、会社に泊まり込んで仕事を続け、椅子を3つ並べて仮眠を取り、トイレで顔を洗うといったことも珍しくありませんでした。
時には、一度退社した後に、営業から受注の連絡があり、会社に戻って制作に取り掛かるということもあったほどです。
■指名制を導入し、キャリアの浅いメンバーをさりげなく自主退職に
不景気の影響で業績が厳しくなった時、さりげないリストラが始まりました。
退職勧告はできないので、指名制を取り入れたのです。
指名が少なければ担当できる仕事も少なくなり、目標を達成できず、インセンティブや昇給、昇格にも繋がりません。
評価もされないので、評価面談にてこの仕事は向いていないのでは、この先も昇給や昇格は期待できないよと伝えることで、自主退社に誘導するのです。
指名制は単に社歴の長いメンバーに指名が集まるので、新人はろくなスキルも経験も身に付かないまま退職となり、かわいそうでした。