●ちょっとレアなパート歴史研究所
今まで経験した仕事で一番記憶に残っているのは歴史研究所です。
縄文土器がたくさん発掘されるところに住んでいるので綺麗な模様の縄文土器を間近で見て触ることができて、とても楽しいです。
財団法人だったので、福利厚生がしっかりしていて、半年間の期間パートでも有給がもらえました。
利益を追求する民間の企業と違ってわりとのんびりとした雰囲気だなあと感じました。
ここは、ハローワークで紹介された半年間の期間パートでしたが、半年後に仕事が残っているということで3カ月延長してもらえました。
福利厚生もしっかりしていて、半年働くと短期のパートでも有給がもらえました。
ただし、休むタイミングがなく、結局消化できませんでしたが。
●初仕事は土器洗い
ここの仕事は発掘された土器や鉄器、木器を綺麗にしたり、手を加えることです。
最初の仕事はまず土器のかけらを洗うことでした。
土の中から出てきて汚れているので、パートのおばちゃんたちが水道の前に一列に座ってきれいに水洗いします。
土器はもれやすく、あまり強く力を入れると割れてしまい、力加減の調節が難しかったなあというのが思い出に残っています。
やりがいはあって楽しいですが、手が荒れるのが玉にきずで、普段使わないハンドクリームを買って、あっという間になくなりました。
肌荒れのせいか、虫がついているのか、手や腕がかゆくなったのもつらかったです。
私はたずさわりませんでしたが、洗った後、この土器のかけらに番号をふるという仕事があります。
これは次の作業のためなのですが、このかけらをつなげていきます。
そしてつなげていくと、もとの壷などの形になっていきます。
これはパートの間でパズルと呼ばれている作業です。
土の中から掘り出された破片がだんだん形になっていくところ見ていると、とてもワクワクします。
そして元の形になると使っていた昔の人を想像して不思議な気持ちになったのを思い出します。
●鉄器の保存作業
土器の仕事の後は鉄器の保存作業に携わりました。
劣化した鉄器に色を塗って元の状態に近づけます。
絵は上手じゃないのでうまくぬれませんでしたが、芸術作品ではないのであまりうまくなくていいらしいです。
鉄器は腐食していて、ぽろぽろと崩れてきてしまうのがちょっとイライラしました。
●木器の保存作業
鉄器の次は木器の保存作業というのもあり、これも木器に色を塗る作業でした。
時間がなかったらしく、詳しい説明を聞く暇がなく、研究所の歴史を研究している先生や先輩の言うとおりに作業していたので正直なんのためにやっているのかわからないままパート期間が終わってしまいました。
●やりがい
普段、触れることのできない歴史の遺物に触れられる仕事で、あまり経験できないことができて報酬がもらえるのでとてもいい経験になりました。
パートを指導する先生は、大学を出た専門家なので、そういう人と一緒に働けたのも勉強になって良かったなあと思います。
●データ入力作業
少し仕事に慣れると、パソコンの経験のある人が集められ、私もそこでデータ入力の仕事をしました。
発掘されたもののデータをエクセルに入力するという仕事でした。
入力しているうちにいろいろな名前を知ることができ、知識が増えていくのがうれしかったです。
元オペレーターだったので、パソコンの入力は慣れていて、この作業はやりやすかったですが、逆にちょっと新鮮味がなくて退屈な部分もありました。
これを元にデータベースをつくると説明を聞いていたので、今どこでどう使われているのかとても気になります。
どこかの博物館か図書館か学校で未来ある子供たちや学生さんの役に立っているといいなあと思っています。
●この仕事は発掘からはじまる
土器も鉄器も木器も、土の中から掘り出されるもので、これを見つける発掘作業をする人たちがいます。
一度見学にいきましたが、現場は建築現場のような様子で、外作業なので作業する人たちは暑さや寒さと戦いながら、頑張っています。
かなり重労働で、経験のある人の話では最初行った時は10キロ痩せたそうで、ダイエットになりそうと言ったら笑われました。
契約期間が終わった後、発掘作業をやらないかと打診がありましたが、他の仕事が見つかっていたので行きませんでしたが、いつかは経験したみたいと思います。
●この仕事の良さとは
正直あまり綺麗な仕事ではなく、汚れ仕事でもありますが、研究の一部となっているというやりがいがあります。
もしかしたら、自分たちが洗った土器や、色を塗った鉄器や木器の中に大発見があって、いつか世界中の人の目に触れ、社会を変えるようなことが起きるかもしれないという想像を掻き立ててくれる創造性のある仕事でもあります。
この仕事をしたと話すと、いろんな仕事があるんだねと言われるくらい、レアな仕事で、この仕事に一度でも携われて良かったなと思います。