・食品工場の環境
食品工場の特徴としては、手作業で人が多い、給料が安い、立ちっぱなし、外国人労働者が多いというイメージがあるかと思います。
ブラジル人、中国人、フィリピン人、ベトナム人などここ最近では非常に多国籍な職場となっています。
それゆえ、言葉の壁もあるのは事実ですが、日本語をある程度しゃべれる方が多く、コミュニケーションについてはさほど問題はありません。
近年では、特定技能外国人制度というものがあり、日本語検定を受けたアジア系の若者を多く取り入れている企業様が多いです。
純粋で、仕事をまじめにやりますし、親元に仕送りをされている方も多く、環境的には10数年前とは異なってきています。
というのも、10数年前はかなり過酷でした。
残業100時間なんて当たり前、恵方巻、お正月、クリスマス、バレンタインなどイベント時は特に発注が増加し、朝4時起き10時終わり何でもザラでした。
社員はどんどん入れ替わってましたし、長く働ける職場ではないなと思っていました。
外国人の方はタフで、短期間で稼いで帰国する方が多かったので、それはそれでよかったのです。
しかし、今は外国人の方も余暇を楽しみ、短期間で働いて帰るという考え方も変わってきていること、残業制限が厳しくなっていることから、時間的な過酷さは依然と比べると非常に少ないです。
・仕事の内容
簡単なトッピング作業、大きな釜で原料を混まぜる作業が大半です。
女性の方は、主に10名程度のラインに割り振られて具材をトッピングする作業が多いです。
男性では配合作業をやられている方が多い傾向にあります。
ラインでは、どんどん流れてくる製品に猛スピードでトッピングをしていきます。
結構流れが早いので、ある程度の器用さが要求されます。
この流れに間に合わなかったり要領が悪いとパートのおばさんに怒られて辞めてしまう人もいました。
ただ、どの職場にも、そういった人は存在するので、よほど合わない場合は社員に相談してラインを変えてもらうのも一つの手段です。
・やりがい
コンビニの惣菜を作る工場では、毎週新製品が導入され、難しいトッピングもあったりします。
そういった難しいトッピングをできるようになると認めらえれることがあり、給料も上がりやすくなります。
指示ができるようになると、リーダーやサブリーダーに選ばれることもあり、給料がアップし、やる気に繋がることもあります。
また、テレビでコンビニの惣菜やスイーツなどを取り上げられることが増えていて、自分たちが作った製品が紹介されることもありました。
実際、品質についてはものすごく気を使っていて、特にコンビニ向けの製品では、基準が厳しく、お店で食べるものと遜色ないようなものが多数あります。
・正社員で働くメリット
食品工場だからといって、給料が安いというわけではありません。
現場で作業者として働くか、管理者として働くかで大きく異なってきます。
それはどんな職業でも同じことでしょう。
また、現場で働く人でも仕事ができるとラインリーダーになり、ラインリーダーからライン統括者になります。
統括者になると一気に給料があがります。
時給もどんどん上がるし、社員と同じくらい稼いでいる人もいます。
そういった方は社員になる人もいます。
10年前のように残業が無制限でできる環境ではなくなってきていますし、中食産業の元気よさは今回のコロナ禍における状況を見ても、目を見張るものがあります。
まったくと言っていいほど影響を受けておりませんし、逆に需要が伸びています。
人も機械も成長し、これから働く人にとっては選択肢の一つに入れてもいいのではないかと思っています。
・正社員で働くデメリット
休みが不定期なところでしょうか。
夜勤昼勤もありますし、皆さんが休んでいるときに需要も増える傾向にありますので、長期休暇や休みの日に同僚と遊びに出かけるのは難しいところがあります。
また、従業員も多くいろんなルールがありますので、一人ひとりにしっかり向き合うことが重要で、人と接するのが苦手な人は難しいかもしれません。
・これからの食品工場
中食(スーパーやコンビニ向けの弁当・惣菜など)は今回のコロナ禍においても、打撃がなく、ここ10数年、確実にのびています。
テレビで定期的に取り上げられてますし、職場環境も徐々によくなっています。
日本人スタッフが減少する一方で、希望あふれるアジア系の外国人とのコミュニケーションも増えて外国にいるような気分になることもあります。
これからも需要は増えていくでしょうし、職場環境もよくなっているのは確かだと思います。
異物混入や食中毒などを起こせば、SNSで瞬く間に拡散していく世の中なので、衛生面にはとても気を使っており、教育もしっかりされています。
HP等でなんとなく企業の考え方、教育方針、企業理念などをみてその姿勢が伺えますので、そういったしっかりとした職場を選べば、長く働くことも可能なのではないでしょうか。