『コールセンターのクレーム対応とは?』
「クレーム対応」と聞くと、「怒られてばかりで辛そう」「ストレスが溜まりそう」と思われる方が多いと思いますが、実際はどうでしょう。
「やっぱり給料はいいの?」と聞かれることもあります。
今回は、実際にコールセンターのクレーム対応窓口の勤務経験についてお話します。
『クレーム対応窓口に勤務するためには?』
求人情報に「クレーム対応窓口スタッフ募集」とはなかなか出ていません。
私の場合は一般のオペレーターとして、コールセンターに契約社員として入社しました。
この時私はコールセンター未経験でした。
入社後は座学研修を受け、その後デビューをし、一次対応オペレーターとして電話を受ける業務をしていました。
入社から半年経った頃、新人の研修補佐を任され、さらに半年経った入社から一年後に、同じ社内の二次対応窓口のチームからオファーがありました。
当時、センターの受電人数(一次対応)は100人以上。
二次対応のスタッフは5人程度でした。
人数から分かるように倍率はかなり高く、また、自分から希望したからと言って入れるわけではありません。
また、クレーム対応をするわけですから、強制的では無くお願いベースでした。
私はオファーを受けて、二次対応チームに入りました。
『クレーム対応に向いている人って?』
私自身、一次対応窓口の時からクレームを受けたとしても、あまり引きずるタイプではありませんでした。
お叱りを受けることがあっても、「このお客様は私自身に怒っているのではなく、この会社に怒っているんだ」と割り切ることが出来たからです。
クレーム対応窓口に異動してからも、いくら怒られても次の電話を取れば前の電話のことはすっかり頭から抜けていました。
家に帰っても仕事のことが頭から離れないタイプの方は不向きだと思います。
私のように良くも悪くもすぐに忘れる、切り替えや割り切ることが出来る方は向いています。
『クレーム対応窓口のメリットは?』
まず、当然給料は上がります。
これは会社によって様々ではありますが、少なくとも一次対応よりは上がります。
上がらないと誰もやりたがりませんよね。
次に、クレームは年がら年中、四六時中発生するわけではありません。
私のセンターでは一次対応で収束できない案件が発生すると、二次対応窓口に引き継がれ、そのまま転送もしくは折り返しにしていました。
多い時には捌き切れないこともありましたが、それは稀です。
案件が無い時は本当にやることが無いので、普段調べられないこと(業務関連)を時間をかけて検証したり、チーム内で雑談をする余裕もありました。
おかげでチーム内は仲が良く、プライベートでも遊ぶようになりました。
途切れることなく鳴る電話を受電し続ける方が良いのか、重クレームを1日に2〜3件対応するのか、どちらが良いかは人それぞれだと思います。
私自身は後者の方が楽に思えました。
また、最初は激怒し、怒鳴り散らしていたようなお客様でも、じっくり話すことで円満に解決することもありました。
「あなたと話してよかった」や、「怒ってごめんね、がんばってね」との声をいただけた時はこの仕事をやっていてよかった、と思えました。
クレーム対応を重ねて行くと、「このお客様にいかに納得いただくか」というゴールへの道筋を経て、クリアして行くゲームのような感覚にもなりました。
一次対応をしていた頃より充実した毎日だったように思えます。
『でもやっぱり辛いこともあるでしょう?』
…はい、もちろんあります。
まず一次対応の場合、基本的に一人のお客様とはその場で話して終わりです。
私のセンターではお客様から再入電があって「さっき話した人ともう一度話したい」と言われてもお断りしていました。
しかしクレーム対応というとそうはいきません。
2〜3時間話しても解決せず、「また明日電話して来て」と言われる場合や、毎週◯曜日の◯時に必ず電話しなければいけない、というお客様を抱えることもありました。
重クレームを抱えていると、さすがに「明日出勤したら朝一あのお客様かあ…」と気が重くなりました。
中にはストレスで辞めて行く同僚も見て来ました。
私自身が辞めたきっかけは、ストレスが一番の要因ではありませんでしたが、勤務日最後の辺りは、「やっと解放される」という気持ちにもなりました。
少なからずクレーム対応はストレスであったと思います。
普通に生活していて、毎日怒られるなんてなかなか無いですから、精神衛生上良いことでは無いと実感しました。
『辞めた後でも活かせていること』
コールセンター経験者は、シフトの希望が合わない、などの余程の原因が無ければ、他のコールセンターでほぼ100%採用してもらえます。
更に「二次対応をしていた」と言えば即採用です。
私自身がそうでした。
また、話すことが上手くなり、良くも悪くも揚げ足取りが上手くなりました(笑)
人と口喧嘩になった時は負けない自信がありますよ。